軽井沢の森を「飲める」...とは? モミやマツ、ヒノキを使った炭酸飲料「FOREST SODA」が意外においしい
昨今、昆虫食に注目が集まるなど、食に革新の兆しが見え始めている。
人間が食べるものは肉、魚、野菜、穀物、果物だけにとどまらない時代がそう遠くない未来にやってくるかもしれない。
そんな中、日本で「木」の食用化を目指す動きがあるのをご存じだろうか。
こちらは「FOREST SODA」という炭酸飲料。植物の研究などを行う日本草木研究所とTŌGE(トウゲ)による木の食用化を目指すブランド「木(食)人」(もくしょくじん)の第一弾商品として発売されたものだ。
「木の食用化を目指す」という言葉どおり、FOREST SODAにはモミ、アカマツ、カラマツ、アブラチャン、ヒノキといった長野・軽井沢で採れる五種の香木が使用されている。
販売サイトでは「飲む森林浴」と表現され、これまで世の中に存在していた炭酸飲料とは一線を画す斬新な仕上がりになっているようだ。
栓を明けた瞬間、サウナが現れた
日頃、飲み食いすることのない「木」を存分に味わえそうなFOREST SODA。この新しい取り組み、実際に飲んで体験してみようではないか。
そこでJタウンネット記者は商品を入手。東京・麹町のオフィスでの森林浴体験を期待して、試飲を行った。
高まる興奮を抑えながら、栓を明けると漂うさわやかな木々の香り。そこには森――ではなく、サウナが現れた。サウナで体感した濃厚で甘さも感じる木の香りに近かったのだ。
汗はかいていないし暑くないのに、香りだけはサウナという不思議な時間が続いていく。
しかし、まったく嫌な気分はしない。
あのタバコで汚れた肺が浄化されていくような神聖な雰囲気すら感じられる「森林浴」とはいかないものの、濃厚で甘さも感じる木の香りに身も心も労わられているようだ。
意外に飲みやすい
写真では少々わかりにくいが、グラスに注ぐとスパークリングワインのような色合いをしている。
肝心な味はどうなのだろうか。濃い木の香りが広がる中、口をつけると意外にもすんなり飲めた。辛味がなく、淡い甘さがあるジンジャーエールといった味わいで、炭酸飲料として非常に飲みやすく美味しい。
撮影したときは少々ぬるくなってしまっていたが、それでも飲みやすさがあった。後ほどキンキンに冷やしたFOREST SODAを飲んだところ、風呂上りのときのようなさっぱりしたいタイミングで欲しいと感じた。香りも考えると風呂よりもサウナから出たタイミングのほうが相性は良いかもしれない。
他の社員にも試してもらうと、こんな感想が。
「飲んだ後にふわっと軽やかな気持ちになる。鼻のあたりにヒノキのような香ばしさが残るような気もしたが、言われてみないと木の存在は意識しない」(20代女性・Fさん)
「鼻から抜ける木の香りがすごいね。味は口に残るけど、甘さもほどほどだから気持ちが良い。木が飲み物として成立しているなんてすごい!」(30代男性・Tさん)
「サウナで使うビヒタ(編注:火照った体をたたく際に使われる木の枝葉の束)のような香りがする。僕はサウナーなので、サウナのような香りが最高です」(20代男性・Iさん)
それぞれFOREST SODAを気に入ったようだ。サウナーからも「サウナのような香り」という言葉が飛び出してしまったが、癒しや快感が得られたことは間違いない。
価格は1本2560円(税込)。自然の恵みを体験してみたい人は、ぜひどうぞ。