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「ロッキン中止要請」の茨城県医師会は、新音楽フェス「LuckyFes」に何を思う? 事務局長を直撃してみた

大山 雄也

大山 雄也

2022.02.25 20:21
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FMラジオ局・茨城放送は2022年2月23日、音楽フェスティバル「LuckyFM Green Festival(通称・LuckyFes)」を22年7月22日、23日、24日の3日間に開催すると発表した。

このフェスは、00年から19年まで毎年夏に国営ひたち海浜公園(茨城県ひたちなか市)で行われていた音楽フェス「ロック・イン・ジャパン・フェスティバル(ROCK IN JAPAN FESTIVAL、通称・ロッキン)」の開催地が22年から千葉市蘇我スポーツ公園に変更されることを受けて企画されたものである。

茨城放送のロゴ(リリースより)
茨城放送のロゴ(リリースより)

1月5日、ロッキン公式サイト上で国営ひたち海浜公園では「万全の感染対策を行う事は困難」として開催地の変更を発表。その約2時間後、茨城放送の堀義人オーナーはツイッターで、

「『茨城のフェス文化の灯を消すな!』が合言葉です。何ができるかわからないけど、やるという意思表明を明確に出すこととしました。
やるっきゃねーべよ!」

とコメントしていた。

その後、1月27日にはフェスの名称が決定、2月3日にLuckyFesロゴマークのデザインの募集開始を告知。9日には、

「グリーン:環境にやさしく~茨城の豊かな緑が生い茂る場所で、地球環境に徹底的に配慮して開催
クロスオーバー:LuckyFMらしさ~局の番組に連動させた多様なジャンルの音楽を提供
テーマパーク:参加型フェス~地元茨城の食や国内外のアートも楽しめる
ファミリー:未来の子供たちに向けて~子連れ、家族でも安心して楽しめる
安心安全:医療団体と連携して新型コロナ対策や熱中症対策を万全にする」

という5つのコンセプトをアナウンス。さらに16日には運営体制を明らかにし、23日の日程発表に至る。

「医師会はどう反応するのかな?」の声も

フェスの準備は着々と進んでいるようで、堀オーナーは2月23日、ツイッターで改めてイベントに向けての意気込みを投稿した。

総合プロデューサーを務める掘オーナーのやる気も満々。ツイッター上では「がんばれ 茨城放送」とエールを送るユーザーも見られた。

しかし、その一方でフェスの開催決定後からこんな声も上がっている。

「茨城県医師会をうまく説得できるといいですね」
「医師会はどう反応するのかな?」
「茨城県医師会に邪魔されないように頑張って下さい」

こうした反応が寄せられた背景には、21年のロッキンの中止が関係していそうだ。

21年7月7日、ロッキング・オン・ジャパンは「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2021」の中止を発表。フェスの総合プロデューサー、ロッキング・オンの渋谷陽一社長が公式サイトに掲載したコメントによると、7月2日に茨城県医師会の代表者がフェス主催者である茨城放送本社に来社し、「今後の感染拡大状況に応じて、開催の中止または延期を検討すること」「仮に開催する場合であっても、更なる入場制限措置等を講ずるとともに、観客の会場外での行動を含む感染防止対策に万全を期すこと」の2点を求める要望書が手渡されたという。

そのうえで「医師会からの要請に十全に応えることは今の私たちにはできません。残念ですが中止以外の選択肢はありませんでした」と説明した。

中止発表後、21年7月14日に行われた会見で茨城県医師会の鈴木邦彦会長は、中止に対して13日までに電話で1628件、メールで651件の抗議が医師会にあったと明かしている。

LuckyFesはどう捉えている?

21年のロッキン中止で注目を集めた茨城県医師会。開催に向けて準備が進むLuckyFesはどう捉えているのか。22年2月25日、Jタウンネット記者は茨城県医師会の事務局長に取材を行った。

茨城県医師会のウェブサイト(画像はスクリーンショット)
茨城県医師会のウェブサイト(画像はスクリーンショット)

まず、LuckyFesに対する印象を聞いた。

「LuckyFesにつきましては、地元振興、賑わいづくりにもつながりますから、開催自体に反対の意思はありません。また、地元の医師会としてコメントする立場にないとは思いますが、今回のイベントが素晴らしい催しになってほしいと思っています」(事務局長=以下同)

イベントの成功を願う気持ち――それは鈴木会長も持っているという。

「2月2日に茨城放送の堀オーナー、阿部(重典)社長が鈴木会長のもとを訪れて、イベントの開催を検討しているとの報告がありました。
私もその場にいたのですが、鈴木会長は地域の活性化のためにも良い催しになってほしい、との旨の話をしていました。
それと併せて、くれぐれも開催地の地元の医師会との調整をしてほしい、と堀オーナーと阿部社長に話しています」

地元医師会との調整を訴えた鈴木会長。そこには、前年のロッキンでの出来事も関係しているようだ。

「ロッキンのときは、医師会として開催することを知ったのが(21年)6月18日。イベントの開催(編注:21年のロッキンは8月7~9日、14~15日に予定されていた)まであまり時間がないタイミングでした。そのときに、地元の医師会からロッキンサイドから具体的な協議がないと。
全国から多くの人が集まる全県がかかわるイベントで、事前になにもないのは心配だとの話も地元の医師会からありました。それで県内の医師会の総意として(21年)7月2日に要望書を出したんです」

鈴木会長は21年7月14日の会見で「もっと早く医師会に話をいただければ具体的な話し合いもできた。我々としても残念」と述べる。

「大きなイベントをやるときは医療機関が協力するのはよくある話。イベントから救急車で搬送される人が出てきても、協力がないと対応が難しいです。
LuckyFesも、まずは開催地の地元の医師会と、どういうイベントになるかといった話をしていただく。その後に県の医師会に話があったら、協力についても検討します」

茨城県の新型コロナウイルス感染者は2月11日に1日に発表される感染者数として過去最多の1703人を記録。2月24日にも1273人の感染が発表されている。まだコロナの収束が見えない中、地元の医師会との緊密な連携もフェス成功の大きなカギの1つとなるのかもしれない。

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