これぞ最先端のわらび餅? 賞味期限「38秒」のニューフェイス「揚げわらび餅」が奈良で爆誕
古くから日本で親しまれている和スイーツ「わらび餅」。最近では、タピオカドリンクのように太いストローでドリンクと一緒に楽しむ「わらび餅ドリンク」が登場するなど、今なお進化を続けている。
そして、2022年――奈良県でまた新たな「新種」が誕生した。
3月1日にグランドオープンする奈良市の和菓子店「さくら茶屋 奈良本店」で販売が始まる「揚げわらび餅」だ。
その名の通り、わらび餅を揚げるという大胆すぎる1品。しかも、斬新なだけではない。なんと、賞味期限はわずか38秒。作り方から期限まで型破りなのだ。
なぜこんなものが出来たのか、そしてどんな商品に仕上がっているのか。
2月24日、Jタウンネット記者は、さくら茶屋を運営するサクラブルーミング(奈良県奈良市)で商品開発などを手掛ける担当者に話を聞いた。
誕生のきっかけとなったのは「居酒屋」
「わらび餅は今、飲むタイプが流行っていて、それをどこでもやってしまっている状態です。ほかの店舗と違って、なおかつワンハンドで食べられる新しいわらび餅がないか。考えた末にたどり着いたのが揚げるスタイルでした」
記者の質問に、そう答えた担当者。
新しいわらび餅を開発するにあたっては苦労も多かったはず――と思いきや、意外な誕生秘話が飛び出した。
「実は、飲み屋のノリから出てきた商品なんです......。さくら茶屋は昨年12月からプレオープンという形で営業はしていて、メニューが固まってきたらグランドオープンにしようと思っていました。そんなとき、社長と数人の社員が常連の居酒屋さんにあいさつも兼ねてわらび餅を持って行ったんです。
そこで、居酒屋の方がお土産で渡したはずのわらび餅をデザートとして、どういうわけか揚げて出してくれたんです」
こうして揚げわらび餅と出会ったサクラブルーミングの社長や社員たち。初めて口にしたときは衝撃を受けたという。
「揚げたわらび餅に黒蜜ときなこをかけたら、食感とおいしさに衝撃を受けてしまいました。飲んでいたこともあったのかもしれないですが、その場で『これ、いけるんじゃないか』との話になりました」(担当者)
さらに、賞味期限が38秒というのも、その場で決まった。
「揚げわらび餅を出してもらってすぐ食べたのと、少ししゃべった後に食べたのではおいしさが違いました。出来立ての方が断然おいしくて、それで社長が『賞味期限30秒やん!』と。その後、また考えて揚げ時間15秒、賞味期限38秒で勝負しようとなりました」
居酒屋でのひょんな出来事から、さくら茶屋の目玉商品にまでのし上がった揚げわらび餅。すでにアルバイトの従業員らは試食していて、「おいしい」と好評だそうだ。
「外はカリっと、中はモチトロ......なんというか揚げ出し豆腐のような食感です。味は香りが強めの自家製の黒糖を使っていて、甘すぎないのが特徴です。あまり類を見ない商品ですし、賞味期限も38秒ですから実際に食べに来てもらって体感していただくのが一番ですね」(担当者)
意外な経緯から誕生した新種が令和の奈良名物となれるのか。その可能性を感じるには現地に行くしかない!?