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リーゼントなんてもんじゃない! 青森の屋根から突き出た「雪庇」がいろんな意味でヤバすぎた

松葉 純一

松葉 純一

2022.01.20 08:00
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2022年1月12日、次のような写真がツイッターに投稿され、話題となっている。

「アサヒ印刷・営業企画スタッフ2」(@asahi_eigyo_2)さんのツイートより
「アサヒ印刷・営業企画スタッフ2」(@asahi_eigyo_2)さんのツイートより

屋根から思い切り雪が出ている光景だ。そんなに突き出して、よく落ちないものだ。リーゼントと呼ばれる、あのヘアースタイルを連想する人もいるだろう。

「逆になんで落ちないんってくらい屋根雪出ててニュートンも腰抜かすわ」

そんなつぶやきが添えられた「アサヒ印刷・営業企画スタッフ2」(@asahi_eigyo_2)さんが投稿したツイートには、10万件を超える「いいね」が付けられ、いまも拡散している(1月12日現在)。

ツイッターには次のような声が寄せられている。

「これ以上伸びたら邪魔な前髪、カットしてあげましょう」
「雪庇(せっぴ)ですね」
「雪庇の落雪事故は怖い」
「大規模な雪庇(倉庫、集会場、パチンコ店など)ともなると、大型重機(8t級ホイールローダー)のベテラン運転手も慄えるレベル」

屋根から突き出た雪のことを、雪庇と呼ぶらしい。いったいこれほど立派な雪庇は、どちらのものだろう?

Jタウンネット記者はまず投稿者「アサヒ印刷・営業企画スタッフ2」さんに詳しい話を聞いた。

「今年はかなり雪がすごかった」

「アサヒ印刷」は青森県弘前市に拠点を構える社員11人の企業だ。写真は会社で撮影されたものだという。

ツイートしたときの状況を尋ねると、「営業企画スタッフ2」さんはこう答えた。

「1月12日、仕事が終わり会社奥の駐車場に向かおうとしていたところ、工場に併設された屋根から、屋根雪が飛び出していることに気がつきました。これはTwitterに投稿しなければと思い、撮影してすぐにつぶやきましたが、まさかここまで反響があるとは思いませんでした......」
「昨年、一昨年はあまり雪が降らなかったのですが、今年はかなり雪がすごかったです。あの光景も初めて気が付きました。恐らく1月初めの頃からひっきりなしに雪が降っていたので徐々に積もったのだと思われます。雨が降って下の層が固まった為にあのようなヘアスタイルになったと思われます」(「営業企画スタッフ2」さん)

雪庇を見たときは、「なんじゃこりゃ!と思いました(笑)。あの長さは初めてだったので」と、「営業企画スタッフ2」さん。結局、雪庇は、次の日自然に折れたという。「社屋かなり丈夫みたいです」と付け加えた。豪雪で知られる弘前でも、今回の雪は予想以上だったようだ。

ところでこの雪庇というのは、かなり危険なものらしい。

Jタウンネット記者は1月18日、弘前市で屋根の融雪「ルーフヒーター」や電気工事・配線工事を手がける、「ヒロデン」に聞いた。

屋根があるところ、危険がいっぱい

Jタウンネット記者の電話取材に応じたのは、ヒロデン代表取締役の松川健二社長だった。

「弊社は、もう20年以上も前から、屋根の融雪事業に取り組んでおります。
つららが歩道や民家に落下するので、雪降ろしをしないと、本当に危険なのです。屋根があるところには、すべて危険が存在します」(松川健二社長)
キャプ)つららもできている(画像は再掲、編集部でトリミング)
キャプ)つららもできている(画像は再掲、編集部でトリミング)

積もっているだけでも落雪の危険があるが、いったん溶けて再び凍結したつららがぶら下がっていると、さらに危ないようだ。

そんな雪庇を防ぐために、ヒロデンが開発したのがルーフヒーター。屋根トタンへ電気ヒーターを設置し、雪や氷を溶かすのだ。

ルーフヒーターの仕組み(ヒロデンのホームページより)
ルーフヒーターの仕組み(ヒロデンのホームページより)

ヒロデンのウェブサイトには次のように記載されている。

「ルーフヒーターとは、トタンの下や上へ電気ヒーターを設置し、屋根雪やつららを溶かす設備です。弊社では北海道の技術を応用し、青森県の湿って重い雪を溶かす工法を確立し実績を積んできました。その為、多種多様なヒーターと工法を取り扱っており、屋根の形状にぴったりな融雪プランを提案し、無駄を省く事で工事費やランニングコストを抑えております」

リーゼントのような雪庇は、危険そのもの。屋根があるところは、危険がいっぱいだ。ルーフヒーターは雪国民にとって気になる存在かもしれない。

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