正面にド迫力の「救急外来」、上には優しく「安心してください」 どうしてこんなデザインに?病院が込めた想いとは
患者には安心感を、職員には活力を
浜野さんが江戸川病院の写真を撮影したのは8日の14時ごろ。怪我で入院している母親へ荷物を持って行く時に目に入ったのだという。
「江戸川病院は施設内のいたる所がアートといいますか、ちょっと独特なセンスや雰囲気に包まれた場所なのですが、救急入口にもそれを貫く強さと、ストレッチャーで運ばれてくる患者さんにはここがどこかわかるように庇に書く優しさが共存していておもしろいと思いました」(浜野さん)
同院の個性的な内装については、15年9月20日の記事「壁は前衛アート、ベランダにフラミンゴ、MRIがパオーン!? 超サイケデリック!江戸川病院に行ってみた」で詳しく紹介しているので、そちらもぜひご覧いただきたい。
しかし、以前取り上げた時はこんな入口は見なかったような......?
いつから、そして、なぜ救急外来の入口がこんなデザインになっているのか。
同院院長の加藤正二郎さんにJタウンネット記者が取材したところ、この入口は21年11月に、救急外来の棟自体のリニューアルを行った際に作られたものだ。
まず、正面の赤い文字や毛筆体については、「視認性を高めるため」と「病院の職員らの活力が湧くようにするため」の2つの理由があるとのこと。
一方、運ばれる患者が見ることになるひさし部分の文言については、こんな意味が込められているという。
「患者さんに対して、『病院に到着した』ということを伝えるためなのはもちろん、『ここは江戸川病院ですよ。ここに来たからにはもう大丈夫ですよ』と安心させるためでもあります。
また、職員に対しても、『江戸川病院のスタッフとして、最大限の力を尽くすんだぞ』と鼓舞する、という意味を込めています」
派手な見た目やインパクトのあるフォントの裏には、患者には安心感を与え、職員には士気の向上を促す、という双方に向けたメッセージが込められていたのだ。