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正面にド迫力の「救急外来」、上には優しく「安心してください」 どうしてこんなデザインに?病院が込めた想いとは

福田 週人

福田 週人

2022.01.04 06:00
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「なんなんだこのフォントのセレクト」

そんなコメントを添えて投稿された一枚の写真が、ツイッターで話題になっている。

分かりやすい!(画像は浜野実(無為)@hamadder3さんのツイートより)
分かりやすい!(画像は浜野実(無為)@hamadder3さんのツイートより)

こちらは、東京都在住のツイッターユーザー・浜野実(@hamadder3)さんが2021年12月8日に投稿した写真。場所は江戸川区にある江戸川病院の救急外来入口だ。

正面からバッチリ見えるのは、自動ドアの上の「EMERGENCY」や、脇の毛筆体で書かれた力強い「救急外来」の赤い文字。ここが救急外来入口であることが、一目でわかるデザインだ。一方でひさしの部分には、

「安心して下さい 江戸川病院です」

の文字が。テキストカラーは黒と青という落ち着いた色になっており、フォントも丸みを帯びた柔らかい感じだ。担架などで運ばれる患者が見ることを想定しているのだろうか。

分かりやすさと患者への思いやりを兼ねたと思われるデザインに、ツイッター上ではこんな声が寄せられている。

「思わず二度見しました!」
「『救急外来』と『安心して下さい』のフォントのギャップがたまらない」
「そうか、それで庇(ひさし)に文字かぁ。すごく納得」

Jタウンネット記者は、この入口について投稿者・浜野実さんと江戸川病院に話を聞いた。

患者には安心感を、職員には活力を

浜野さんが江戸川病院の写真を撮影したのは8日の14時ごろ。怪我で入院している母親へ荷物を持って行く時に目に入ったのだという。

「江戸川病院は施設内のいたる所がアートといいますか、ちょっと独特なセンスや雰囲気に包まれた場所なのですが、救急入口にもそれを貫く強さと、ストレッチャーで運ばれてくる患者さんにはここがどこかわかるように庇に書く優しさが共存していておもしろいと思いました」(浜野さん)

同院の個性的な内装については、15年9月20日の記事「壁は前衛アート、ベランダにフラミンゴ、MRIがパオーン!? 超サイケデリック!江戸川病院に行ってみた」で詳しく紹介しているので、そちらもぜひご覧いただきたい。

しかし、以前取り上げた時はこんな入口は見なかったような......?

いつから、そして、なぜ救急外来の入口がこんなデザインになっているのか。

同院院長の加藤正二郎さんにJタウンネット記者が取材したところ、この入口は21年11月に、救急外来の棟自体のリニューアルを行った際に作られたものだ。

まず、正面の赤い文字や毛筆体については、「視認性を高めるため」と「病院の職員らの活力が湧くようにするため」の2つの理由があるとのこと。

一方、運ばれる患者が見ることになるひさし部分の文言については、こんな意味が込められているという。

「患者さんに対して、『病院に到着した』ということを伝えるためなのはもちろん、『ここは江戸川病院ですよ。ここに来たからにはもう大丈夫ですよ』と安心させるためでもあります。
また、職員に対しても、『江戸川病院のスタッフとして、最大限の力を尽くすんだぞ』と鼓舞する、という意味を込めています」

派手な見た目やインパクトのあるフォントの裏には、患者には安心感を与え、職員には士気の向上を促す、という双方に向けたメッセージが込められていたのだ。

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