「赤ちゃんを抱き、やむなく乗った満員電車。密集する乗客の間から、突然ニュッと手が伸びてきて...」(東京都・40代女性)
朝の通勤ラッシュの電車内は、人の波に押しつぶされ、カバンなどが体にぶつかり、とただ立っているだけでも一苦労だ。
ましてや、大きな荷物を持っていたり、幼い赤ん坊を連れていたりする場合はなおさらだろう。
東京都在住のJタウンネット読者・Dさん(40代女性)も、まさにそんな体験をしたことがある1人だ。
その日、Dさんは実家に帰省するために生後半年の娘と大きな荷物を抱えて、通勤ラッシュの電車に乗り込んだ。
荷物と赤ちゃんを抱えながら、乗客たちに揉みくちゃにされるDさん。席に座る余裕などない。
そんな時、人混みの間からいきなりニュッと誰かの手が伸びてきて......
誘導するような手を追うと...
今から7年ほど前の話です。末期ガンの父とすごすために、私は生後半年の娘と2人で実家に帰省することになりました。
実家までは片道5時間以上の陸路に加え、船に乗る必要もあります。船の出発時間の関係で、私たちは通勤ラッシュの電車に乗らなければいけませんでした。
抱っこ紐に大きな荷物を抱えて乗車の列に並び、ぎゅうぎゅうに揉まれながら乗車しました。
すると、突然人の間から男性と思われる手がニュッと出てきたのです。
その手はどうやら私を誘導してくれているようで、何とかその手を追って隙間を動いて移動してみると、満員の車内で一つだけ座席が空いていたのです。おかげで座って東京駅まで行く事ができました。
人混みの中で私は背も低く、誘導してくれた方の手しか見えずお礼もできませんでしたが、あの時は本当にありがとうございました。
また、満員であったにも関わらずその席を私に譲ってくださったまわりの方達のご配慮も、今思い返しても涙が出ます。
父は帰省して間もなく他界いたしましたが、父と一緒に何度もこの出来事を思い出します
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな、あの時自分を助けてくれた・親切にしてくれた人に伝えたい「ありがとう」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。
Jタウンネットでは読者の皆様の「『ありがとう』と伝えたいエピソード」を募集している。
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