仏さまが、泣いている...? 茨城「牛久大仏」の清掃風景に反響
茨城県南部の牛久市にある大きな大きな「牛久大仏」、読者は存じだろうか。聞いたことはあるが、実際に見たことはない? 圏央道をドライブしていたときに、遠くから見えたかも......、という記憶をお持ちの人もいるだろう。
2021年12月6日、次のような写真がツイッターに投稿され、話題となっている。
ツイートには「茨城の牛久大仏見に来たら、泣いてた」というコメントが添えられている。写真を見ると、たしかに巨大な仏像の目から涙が流れているような......。
いや写真をさらによく見ると、大仏様の眼の近くに見えるのは、清掃作業員ではないか。涙に見えるのは、ロープのようでもある。おや、これは清掃中なのか?
写真家の「_deepsky」(@_deepskyy)さんが投稿したツイートには、14万5000件もの「いいね」が付けられ(12月14日現在)、こんな感動の声が寄せられている。
「この高さを手作業で掃除するって凄いです」
「すごいタイミング! お掃除してもらって嬉し涙やったり」
「この方達が一生懸命掃除してくれるから、大仏様も感極まって、涙を流したのですな」
「奇跡の一枚」
多くの人を驚かせた清掃作業、いったいどのように行われているのだろうか? Jタウンネット記者は牛久大仏管理事務所に取材した。
清掃は毎年、秋のお彼岸前
牛久大仏の高さは、120メートル。阿弥陀如来の十二の光明にちなんでいるそうだ。青銅製の大仏としては、世界一高いとされている。公式サイトによると「奈良の大仏が手のひらに乗ってしまう」ほどのサイズだ。
内部には、5層に分かれた空間があり、それぞれ「光の世界」「念仏の間」「知恩報徳の世界」「蓮華蔵世界」「霊鷲山の間」と名付けられている。各部屋には、釈迦や仏教に関する展示パネルが設置されていたり、写経のためのスペースが設けられたりしていて、胸部には展望台もあるという。
SNSで注目された清掃作業について、牛久大仏管理事務所広報担当者は次のように答えた。
「牛久大仏の清掃は、毎年、秋のお彼岸前に行っております。日程につきましてはその年によって異なります。
作業工程は、その年の汚れ場所によって、清掃場所が確定します。話題の画像での目から下りて清掃するという内容がほとんどになりますが、場合によっては頭のてっぺんから肩まで下りて作業をする場合もあります。清掃自体は2名で行いますが、準備に関しましては3名~4名の場合もあります。
清掃にあたっての苦労は、水を運ぶ作業が大変なことと、事故の無いように少しでも風の強い時は行わないようにしています」(牛久大仏管理事務所広報担当者)
SNSでの大きな反響に対して、担当者は、「皆さんのコメントが仏様に優しい印象があります。とても良いイメージを持ってくださっているのが嬉しく思います。綺麗になった大仏様にぜひお参りください」とコメント。
また「現在はコロナ禍でございますのでご参拝時にはマスクの着用や手指消毒、体温測定をお願いしております」と付け加えた。
年末年始、牛久大仏胎内の拝観はいかがだろう。