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「のどに飴を詰まらせ、どんどん紫色になっていく息子の顔。一度は助かったと思ったのに、その後...」(静岡県・年齢不明女性)

井上 慧果

井上 慧果

2021.12.07 11:00
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「今年高校生になった息子が今元気で生きてられるのは、あの時助けていただいた女性がいたからです」

Jタウンネット編集部では、誰かに伝えたい「ありがとう」をテーマに投稿を募集している。

ある日、ある見知らぬ女性に息子の命を救ってもらった――そんなエピソードを寄せたのは、静岡県在住の読者・Oさん(女性)だ。

クリスマスの飾りを見に...(画像はイメージ)
クリスマスの飾りを見に...(画像はイメージ)

当時2歳の息子を連れ、ホームセンターへ行ったOさん一家。

キラキラとしたクリスマスの飾りを見ている最中、飴を食べていた息子が突然苦しみはじめた。

Oさんがすぐに異変に気がつき、様々な対処を試したものの、詰まった飴はなかなか出てこない。パニックになる一家の前に現れたのは、見知らぬ中年女性だった。

いつもあげていた飴がのどに...

今年高校生になった息子が今元気で生きてられるのは、あの時助けていただいた女性がいたから。あの方にお礼を届けたい。

当時2歳の息子と私達家族4人は、クリスマス飾りを見にホームセンターへ行きました。

キラキラした装飾を見ている最中、急にウッと声を押し殺す息子を見て、私はすぐに異変に気づきました。息子にいつもあげている飴をその日も渡していたのですが、それがのどに詰まってしまったのです。

飴玉がのどに(画像はイメージ)
飴玉がのどに(画像はイメージ)

背中を強く叩いたり逆さにしたりして、必死で出そうとしましたが、詰まった飴は出てこない。

私が声を上げてパニックに陥っていると消防士の夫がすぐ気づき、すかさず息子を背後から抱いて腹を圧迫すると、血と一緒に小さな飴玉が喉から出てきてくれました。これで大丈夫と安堵した次の瞬間のことでした。

息子が大きい声で一声泣いた途端、出てきた飴を再び吸い込んでしまい、今度は気道の奥を完全に塞いでしまったのです。

声も出なく、苦しむ息子

先ほどまでは少しは声が出ていたのに、今度はピッタリと飴がハマり、声も出なく苦しむ息子。

彼の顔が一気に紫になったのを見て、泣きそうな私。我が子を死なせないために再び背後からお腹を圧迫する夫。最悪の事態でした。

最悪の事態(画像はイメージ)
最悪の事態(画像はイメージ)

しかも、飴はなかなか思うように出てきません。どんどん変色していく、辛そうな息子の顔を見て、私の頭の中には

「死ぬかも!!」

とよぎりました。

救急車にすぐ電話してという主人の声で我にかえりましたが、パニックになり、番号がわからない。周りの買い物の人たちは、私たちに気づく様子もなく通り過ぎていく......。

短い時間でしたが、人生で一番長く感じました。

その時です。たまたま通りかかった見知らぬ中年の女性が、声をかけてきました。

「ちょっと私に貸して」

女性は息子の背後にまわり...

女性は、息子の背後にまわって再びみぞおちを圧迫。必死にやってくれました。

すると飴が出たのです。今度は口の中ではなく、外に転がりました。

大きな大きな声で泣き、息を大きく吸い込んだ息子の顔は一気に血色をとりもどしました。

「ありがとうございます!!」

泣いてお礼を言う私に、彼女が「よかった」と一言笑ってくれたのを今でもはっきり覚えています。

同時に救急車も到着して......。振り返ったときあの女性はもういなくなっていました。

息子は今高校でハンドボール部に入り元気に過ごしています。

そして息子は言います。僕のこの命は、生かされた命だから、僕は消防士になるよと。

あの方にお礼が伝わりますように。

誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!

Jタウンネットでは、読者の皆様の「『ありがとう』と伝えたいエピソード」を募集している。

読者投稿フォーム公式ツイッター(@jtown_net)のダイレクトメッセージ、メール(toko@j-town.net)から、「いつ、どこで出会った人に、何について感謝を伝えたいのか(どんな風に親切にしてもらったのか、どんなことで助かったのかなど、500文字程度~)」を、あなたの住んでいる都道府県、年齢(20代、30代など大まかで結構です)、性別、職業を明記してお送りください。秘密は厳守いたします。

(※なお本コラムでは、プライバシー配慮などのため、いただいた体験談の一部を改変している場合があります。あらかじめご了承ください)

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