「落とし物に気付かず電車を降りる大学生。身重の体で慌てて追いかけたのに、お礼も言ってくれず...」(東京都・40代女性)
人に親切にしてもらったり助けてもらったりしたら、「ありがとう」とお礼を言うのは当たり前──大人も子供も、ほとんどの人がそう認識していることだろう。
また、「困っている人を見かけたら助けてあげるのは当たり前」と考えている人も、決して少なくはないはずだ。
だからこそ、期待が裏切られたときにひどく傷ついてしまうこともあるようだ。
東京都在住の読者・Mさん(仮名、40代女性)からJタウンネット編集部に寄せられたのは、まさにそんな人たちに関するのりものトラブル体験談。
ある日、電車内で落とし物をした若者を助けようとしたMさん。
しかしその結果、とても悲しい思いをすることになってしまう。
「携帯、落としてますよ!」と呼びかけたけど...
今から13年ほど前、慣れない土地に嫁ぎ、初めての子を妊娠中の時でした。
妊婦健診があった日の帰りの電車内で、私の隣には大学生くらいの男の子が座っていました。やがて降りる駅に着いたらしく、その子は席を立ちました。
ふと彼の座っていた座席を見ると、そこには彼の物と思われる携帯電話が。
ホームに降りかける彼に、私は「携帯、落としてますよ!」と呼びかけましたが、当の本人はイヤホンで音楽を聞いていて全く気づいてくれません。
私が電車のドアから顔を出して叫んでも、彼はどんどんホームの階段を昇っていってしまいます。ホームにいた人たちも、そんな私をただぼんやり見ているだけでした。
そこは私の降りる駅ではなかったのですが、携帯を失くしたらあの男の子はさぞ困るだろうと思った私は、咄嗟にホームに降りて叫びながら彼を追いました。
ただ、お腹には赤ちゃんがいたので、必死に階段を昇っていたらお腹が張ってきてしまいました。仕方なく周りの乗降客の人たちに「あの人が、携帯を落としたので、呼びとめて下さい、お腹に赤ちゃんがいるので‥‥」と言ったのですが、それでも皆ただ見ているだけでした。
やっと追い付いたのに...
私がようやく改札に辿り着くと、改札の外に男の子の背中が見えました。
最後のチャンスと思い改札外に向かって叫んだら、その声に気づいた人がやっと彼に教えてくれました。
ゆっくりこちらに近づいてきた彼に私は「携帯を電車に落としてたので」と伝えました。ところが、彼は無言で軽く頭を下げただけで去って行ってしまったのです。
私は自分が降りる駅ではない駅のホームにひとり戻り、硬く張ってしまったお腹をさすりながら、お腹の子に無理をさせたことを謝りました。
よくわからないけれど悲しくて仕方なくなり、涙が出てきて止まりませんでした。
何かが起きた時に見て見ぬ振りをする人達や、他人の親切に対して無言でいられる若者に対して、悲しさを感じてしまったんだろうと思います。
お腹の子はその後無事に生まれ、今では正義感と思いやりのある立派な男子中学生になりました。
「ありがとう」「ごめんなさい」をしっかり言葉に出せる子に育ってくれています。
「のりもの」で体験した「モヤモヤエピソード」吐き出しませんか?
落とした携帯を必死に届けようとしてくれたMさんに、「ありがとう」の一言もない大学生や、見ているだけで助けようとしてくれない周囲の乗客。Mさんの立場からしてみれば、とてもやるせない気持ちになったことだろう
皆さんも、電車やバス、新幹線といったのりもので体験したイライラ、モヤモヤなエピソードはあるだろうか。
Jタウンネットでは、皆さんが遭遇した「のりものトラブル」体験談を募集している。
読者投稿フォーム、公式ツイッター(@jtown_net)のダイレクトメッセージ、メール(toko@j-town.net)から、具体的なエピソード(どんなことにイラッとしたのかなど、500文字程度~)、あなたの住んでいる都道府県、年齢(20代、30代など大まかで結構です)、性別、職業を明記してお送りください。秘密は厳守いたします。
(※なお本コラムでは、プライバシー配慮などのため、いただいた体験談の一部を改変している場合があります。あらかじめご了承ください)