「バスに乗るお金が無くて、泣きながら家に向かう私。途中、知らないオジサンに呼び止められて...」(神奈川県・40代男性)
降りる予定とは違うバス停で降車してしまった――。
そんなミスをしたことがあるという人は、少なくないだろう。
神奈川県在住の読者・Yさん(40代男性)もその一人。子供の頃にそんな状況に陥り、その時のことが忘れられないという。
当時、Yさんは小学2年生。家に帰ろうとしていたのに、降りるバス停を間違えてしまった。
バスにもう一度乗るお金はなく、半べそになりながら仕方なく徒歩で家まで帰ることにしたのだが......。
今からご紹介するのは、彼がJタウンネット編集部に寄せた、「『ありがとう』と伝えたいエピソード」である。
小学生にとってはとても遠く感じた
40年前の話です。当時小学2年生だった私は、学校の友達の家から帰宅する為、市営バスに乗車しました。
自宅の最寄りのバス停まで乗車予定でしたが、間違ってその隣のバス停で下車してしまったんです。
その時はお金を所持していなかったので、仕方なく家の方向へ歩くことに。半べそかきながら、でした。
小学生にとって、1つ隣のバス停は途方もなく遠く、そこまで歩くのは非常に大変なことのように感じていたのを覚えています。
そうして歩き始めてから10分ほど経過した時のことです。
通りかかった工事現場にいたおじさんに呼び止められました。
「家に帰れる」という安心感を取り戻せた
半べそだった私を見かねて、声をかけてきたのでしょう。
なにしろ泣きながらのことだったと思うので、まともに話が伝わっていたのかどうかはわかりませんが、私はそのおじさんに事の経緯を説明しました。
一通り私の話を聞き終わったおじさんは、こう言いました。
「このお金で電車に乗りなさい。お金は返さなくて良いよ」
そして、財布から100円を取り出し私に握らせてくれました。
私はそのお金を使って、無事に1人で帰宅することができました。
今では自販機でジュース1本を買えるかどうかという金額です。けれど、あの時の100円は子供の私にとって、「家に帰れる」という安心感を取り戻すには十分に価値があるものでした。
その時の工事現場には今は立派な建物が立ち、その前を通るたびに未だにおじさんのことを思い出します。
だいぶ時が過ぎ、私もあの時のおじさんと同じ歳くらいにはなりましたが、元気にやっています。あの時は本当にありがとうございました。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
家に帰るためのお金がなく、泣きながら歩いていたYさんを助けてくれた工事現場の男性。彼がいなければ、無事に家に帰ることもできなかったかもしれない
皆さんも、何かピンチに遭遇した際に、誰かに手を差し伸べてもらった経験はあるだろうか
Jタウンネット編集部では、自分を助けてくれた・親切にしてくれた人に伝えたい「ありがとう」の声を募集している
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