「電車の中で泣き続ける、外国人観光客の赤ん坊。それを見た妻に『絶対振り向くな』と言われ...」(茨城県・30代男性)
電車の中で、赤ちゃんがずっと泣いている――そんな状況に居合わせたことはあるだろうか。
乗客の視線がそちらに集中し、その子を連れた保護者も焦って泣き止ませようとするが、なんともならない......ちょっとヒヤヒヤしてしまう人もいるかもしれない。
茨城県在住の読者・Oさん(30代男性)は7年ほど前、鎌倉への日帰り旅行からの帰りの電車で、そんな赤ちゃんと乗り合わせた。
Oさんには、赤ちゃんがなぜ泣いているのか、わからなかった。
その子の両親が何か話しているが、外国からの観光客のようで、何を言っているかわからない。
そんな中、Oさんの妻が行動に出た。その時の彼女の様子を、Oさんはこう振り返る。
「判断力と行動力に感服しました」
一体、何があったのか。彼から寄せられた投稿の一部始終を見てみよう。
赤ちゃんがなかなか泣き止まず
約7年前の江ノ電での出来事のエピソードです。
長男がまだ1歳になったばかりの梅雨の時期に、あじさい鑑賞と江ノ島の生シラスを食べに、初めて家族で鎌倉に日帰りの旅行に行きました。
旅行中は非常に楽しく過ごせて、お土産の買い物も済ませ、さて鎌倉からJRを使って帰ろうとした時、まさかの信号機トラブルが発生。復旧見込みが立たないとのことで、江ノ電への振替輸送となりました。
江ノ電に乗車すると、ものすごい大混雑。仕方なく、優先席エリア近くで長男を抱っこしながら立つことに。
すぐ近くに、生後半年ほどの赤ちゃんを連れた私と同世代くらいの夫婦が同じように立ちました。その赤ちゃんは、電車に乗った時からずっと泣き続けていました。
それを見て、優先席に座っていた人がその夫婦に席を譲りました。おかげで彼らは座りながら赤ちゃんをあやすことができたのですが、それでもなかなか泣き止みません。
夫婦の会話が聞こえてきましたが、どうやらアジア系の観光客のようで、何を話しているかはわかりません。
しかし......。
「今すぐ後ろを向いて壁を作って!」
私の妻や近くにいた女性がいち早く何かを察したようでした。妻が私に、こう言います。
「今すぐ後ろを向いて壁を作って! 絶対振り向かないこと!」
私はよく分からないながらも、ひとまず言われた通りにしました。泣いている子供の父親も一緒になって壁を作りました。
すると、あれほど泣き止まなかった赤ちゃんがようやく泣き止んだのです。どうやら、赤ちゃんの母親が授乳を始めたようでした。
女性陣は上着などで母親を覆い、私と父親と2人の女性でその周りに壁を作り、混雑した列車内で即席の授乳室を作り上げました。
全く言葉が通じないにも関わらず、その時の女性陣の判断力と行動力には感服いたしました。
その後、電車は終点に到着し、その夫婦は周りの人たちに片言の日本語で「ありがとう」と伝えていました。
電車を降りたあと、私が妻に「なんでわかったのか」と聞くと、
「なんとなく」
とのこと。とても印象に残る、心温まる日帰り旅行でした。
「忘れられない旅先でのエピソード」、教えて!
言葉も通じない中、協力してくれた女性たち。赤ちゃんが無事に泣き止んで、夫婦はどれほど安心したことだろう。
皆さんも旅の途中で、親切な誰かに遭遇したことはないだろうか。
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