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月に一度「お着がえ」する、江ノ島駅前のオシャレな小鳥たち いったい誰が?何のために?真相を追う

福田 週人

福田 週人

2021.09.24 06:00

誰か優しい人が作ってくれたんだね──。

そんなコメントとともに投稿された一枚の写真が、ツイッターで話題になっている。

可愛らしい服が着せられている(画像はうに@unikoooo_1105さんのツイートより)
可愛らしい服が着せられている(画像はうに@unikoooo_1105さんのツイートより)

金属製の車止めの上に乗っている、同じく金属製の小鳥たち。緑と黄色のツートンカラーの可愛らしい服が着せられている。

この姿を見れば多くの人が、思わず「おや?」と振り返ることだろう。実にほっこりとした気分になる光景だ。

こちらの写真に対し、ツイッター上では、

「笠地蔵みたいですね。あたたかい気持ちになります」
「視認性も上がってて良い感じ」
「なにこの優しい世界...!!!」

といった声が寄せられている。

こちらは、東京都在住のツイッターユーザー・うに(@unikoooo_1105)さんが21年9月19日に投稿した写真。

この服は、誰が編んでいるものなのか。気になったJタウンネット記者は調べてみることにした。

なんで服を着てるの?

まず話を聞いたのは、投稿者のうにさん。19日の15時頃、江ノ島電鉄(神奈川県藤沢市)の江ノ島駅前で写真を撮影した。

「所用で鎌倉まで来た帰り、せっかくだから海に行きたいと横浜に住む姉を誘って、江ノ電に乗りました。江ノ島駅を降りたら『何かカラフルなものが車止めについてる!』と思ってよく見ると、お洋服を着せてもらった小鳥さんたちで、あまりの可愛さに写真を撮ってしまいました」(うにさん)

うにさんは文鳥を飼っているので、自分の小鳥が洋服を着ていたらこんな感じになるのかな、とも思ったという。

「どこの誰がこんな可愛いお洋服を作って着せてあげているんだろうと疑問にも思いましたが、投稿へのリプライで経緯や他の装いの写真を送ってくださった方がたくさんいらっしゃって、たくさんの人に愛される小鳥さんたちなんだなぁと改めてほっこりとしました」(うにさん)
季節ごとにデザインが変わっている(画像は江ノ電沿線新聞社提供)
季節ごとにデザインが変わっている(画像は江ノ電沿線新聞社提供)

そう、この小鳥たちは、別の服を着ていることもあるというのだ。

調べてみると、江ノ電主要駅で配布されている「江ノ電沿線新聞」の21年8月号で、この小鳥たちについての特集記事が掲載されていたことが分かった。同誌は江ノ電沿線新聞社が毎月1日に刊行する沿線地域に密着した情報誌だ。

記者は21日、江ノ電沿線新聞社に取材した。

駅でお出迎え(画像は江ノ電沿線新聞社提供)
駅でお出迎え(画像は江ノ電沿線新聞社提供)

話を聞かせてくれたのは、江ノ電沿線新聞社ピコリーノ係の担当者だ。

「ピコリーノ」というのは、この小鳥付きの車止めの商品名。広島市の旗ポールメーカー・サンポールが製造している。車止めの上に子供が飛び乗って転落しないように、小鳥のオブジェが付けられている。ただ、最初から服を着ているわけではない。

じゃあ、なんで江ノ島駅前のピコリーノは服を着ているのか。ピコリーノ係の担当者によると、事の始まりは1999年の冬だった。

車止めの小鳥たちが寒そうだから...

「当時、江ノ島駅の売店で働いていた石川カツコさんという女性が、『車止めの小鳥たちが寒そうだ』と、ボランティアで小鳥に自作の服を着せたのが始まりです」(担当者)

その後、石川さんが季節ごとに色々なデザインの服を着せていくにつれ、江ノ電前のピコリーノはちょっとした観光スポットになっていった。

「ただ、石川さんはすでに亡くなってしまっていて、2014年からは彼女の友人である小池三四子さんという女性が活動を引き継ぎ、現在に至っています。
もともと編み物が得意だったという小池さんが、晩年に病院生活を送っていた石川さんから作り方を教わったそうです」(担当者)
「江ノ電カラー」のピコリーノ(画像はうにさんのツイートより)
「江ノ電カラー」のピコリーノ(画像はうにさんのツイートより)

小池さんは現在、駅前のピコリーノたちに毎月新しい服を着せているという。

色合いやカラーリングも全て小池さんが考えており、9月22日現在の緑と黄色のデザインのものは、9月が江ノ電の開業月であることにちなんだ「江ノ電カラー」をイメージしたものだそうだ。

担当者は、小池さんの編んだ服を着たピコリーノがツイッターで話題になっていることについて、

「こんなにたくさんの方が注目してくれていたんだな、と思いました。改めて、『大事な場所だな』と実感しています」

とコメントしている。

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