「自由席が満席で、車両のスミに座り込む私。それを見たタトゥーだらけの男が近づいてきて...」(愛知県・40代女性)
「人を見かけで判断してはいけない」
昔からよく言われていることだ。
とはいえ、怖そうな見た目の人がいてつい避けてしまった、といった経験がある読者もいるだろう。
しかし、やはり見た目だけではその人の性格までは分からない。そう身に染みた出来事があったと、愛知県在住の40代女性・M江さんが編集部に1通のメールをくれた。
それはコロナ禍以前のお盆の前。M江さんは趣味の野球観戦のため、福岡県へ向かっていた。
新幹線の指定席が取れなかったので、彼女は満席の自由席車両で立つことに。
そのうち空いて、どこかに座れるだろうと思っていたのだが......。
座れずにいたら、近寄ってきたのは...
新大阪で新幹線を乗り換えてからも、新神戸を過ぎても、車両は変わらず満席のまま。
M江さんは自由席車両の端で、座り込んだり立ち上がったりを繰り返していた。
そんな彼女の元にひとりの男性が近づいてきたという。
「新大阪で私の前に並んでいた方でした。腕にびっしりタトゥーが入っていたので、関わりたくない、と思っていました。
車内でチラチラこちらを見ていることに気づき、目が合ったときは本気でヒヤリとしたほどです」(M江さん)
何を言われるのだろうかと身構えていたM江さん、男性がかけたのは、思いもよらない言葉だった。
「あんたずっと立ってるじゃん、俺タバコ吸いに行くから座っていいよ」
そして、席を譲ってくれたのだという。
何度か断ったものの、足腰が限界に近づいていたM江さんは......。
「ではタバコから戻るまで、とお言葉に甘えて座らせてもらいました」
しかし、いつまで待ってもその男性が戻ってくることはなく、そのまま博多に到着してしまった。
新幹線から降りたM江さんは、男性が階段を降りていく姿を発見。慌てて追いかけたものの追いつけず、結局そのままになってしまったのだそう。
M江さんはその男性に「ちゃんとお礼が言いたかった」、という。
「私を座らせてくれた後、その方がどうしていたのかわかりませんが、ヘルプマークを付けた私に親切にしていただいたこと一生忘れません。
この場をお借りしてお礼を申し上げます。本当にありがとうございました」
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな、あの時自分を助けてくれた・親切にしてくれた人に伝えたい「ありがとう」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。
そこでJタウンネットでは読者の皆様の「『ありがとう』と伝えたいエピソード」を募集したい。
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