逆に「デザインの勝利」案件では...? 「あのコーヒーメーカー」並みにテプラれたiPhoneに反響
米アップルは2021年9月15日(日本時間)、新型の「iPhone 13」シリーズなどを発表。日本でも、ツイッターで一時トレンド入りするなど話題になった。
そんな中、「ぼくのアイフョーン12プョを見てください」というコメントとともに投稿された「iPhone 12 Pro」の端末写真が、ツイッターで注目を集めている。
これはツイッターユーザーのきゅー(@Cue_449ds)さんが15日9時頃に投稿した写真。
iPhoneの背面に、これでもかとシールが貼られている。
文字ばかりで情報量が多いが......。
その内容は各ボタンやレンズ、コネクタの位置などを、わかりやすく示したもの。
加えて、デバイスのストレージが「256ギガ」で、OSは「iOS14.8」、そして「5G」にも対応しているとわかる。
さ、さらに、リンゴのマークがある場所には「青森県産」(=アップル製ということ...?)とまで!
初めてiPhoneに触る人でも、どのボタンが何かが一目でわかるような至れり尽くせり具合ではあるが、スマートさを失っているのでは......。ツイッター上ではこの姿に対し、
「デザインの敗北を見た」
「なんじゃこりゃw」
「大企業備品感あって非常に良い」
「テプラ貼ると備品感出るなww」
「これはこれで最高にカッコよくてすき」
といった声が寄せられ、会社などで支給される管理番号付きの携帯やパソコンを想起する人も(名前シールとか貼られて、恥ずかしいですよね)。
どうして、こうなったのか。Jタウンネット記者は16日、投稿者のきゅーさんに詳しい話を聞いた。
「デザインの敗北」をコンセプトに
きゅーさんは30代男性で、自動車部品設計者。趣味は絵を描くことだという。
彼がメインで使っているスマホは、「Pixel 3 XL」。仕事用だという。話題の「iPhone 12 Pro」はサブ機で、ゲームや写真撮影、Webサイト・アプリの動作確認用に使用しているそう。
私物のテプラでシールを作成し、iPhoneに直貼り。
「最初はおもしろ半分で『アイフョーン』だけを貼っていたのが、友人やフォロワーからのご指摘やアイデアなどを盛り込んでエスカレートしていった結果が現状のものになります」
とのこと。なお、テプラを貼るというアイデアは「巷で話題のコンビニのコーヒーマシンのラベル」を見て、思いついたそうだ。
(編注:15年頃、セブン-イレブンに設置されている「セブンカフェ」のセルフコーヒーメーカーの操作方法が「わかりにくい」とネット上で話題になった。レギュラーサイズを示すボタン「R」が左側にあって、ラージサイズ「L」が右にあったこと、「HOT COFFEE」「REGULAR」といった英語表記しかなかったことなどが要因だ。
一部店舗ではわかりやすくするために「ホット」「小さいカップ」などとテプラを多量に貼って対応。
このような、シンプルでスタイリッシュなデザインにした結果、いわゆる「オシャレ」ではない手が加えられて「わかりやすく」される現象は「デザインの敗北」と呼ばれている)
きゅーさんの「アイフョーン12プョ」のコンセプトも「デザインの敗北」。どんなこだわりを持って、テープを貼っているのか尋ねると、
「雑多で過剰すぎる説明をするようにしています。
その中にどこか会社の『備品感』を出すための注意書きや情報も入れ込んでいます。QRコードもちゃんと情報を入れてるのもこだわりポイントです。まあ、実際の備品は管理番号くらいですけどね。
あと、SIMスロットのところには剥がすと『VOID』と浮き上がるセキュリティシールを貼ってあったりもします」
と教えてくれた。また、投稿が注目を集めたことについては、
「大変多くの反響を頂いており通知が賑やかですが、皆さんに楽しんで頂けているようで嬉しいです。
テプラは普段から自宅や会社の私物に使ったりしていますが、こういう遊び方もあるよと知って頂いて、ぜひ皆さんにもチャレンジして欲しいと思います」
ちなみに、きゅーさんの投稿には16日、テプラを販売する文房具メーカー・キングジムの公式ツイッターが
「『テプラ』っぽさ」
と反応を示している。ここまで反響が大きいと、ある意味「デザインの勝利」...?