あの「うどんそば自販機」がソフトクリームになった アイスは「つゆ味」、トッピングは「天かす」「七味」...
ソフトクリームが好きだ。
スーパーやコンビニのアイスコーナーで売っている、プラのカバーがかけられているようなものではなく、その場で店員がくるくると巻いてくれるものがいい。
長距離ドライブでサービスエリアや道の駅に立ち寄ったとき、まさにそんなソフトクリームを食べる人もいるのでは。
今、ツイッターでは、秋田のとある道の駅でしか買えない、不思議なソフトクリームに熱い視線が注がれている。
それが、この「うどんそば自販機つゆ味ソフト」(430円。トッピングなしは380円、いずれも税込み)。
道の駅あきた港 ポートタワー・セリオン(秋田市)限定で、2021年4月3日から販売されており、敷地内の屋外店舗「進藤冷菓」で購入できる。
道の駅あきた港にある「うどんそば自販機」のつゆを使用したソフトクリームで、トッピングは天ぷらをイメージしたえびせんや、うどん・そばと相性ばつぐんな天かす、七味。
そのユニークな見た目もあってか、ツイッターに写真や感想を投稿している人も多く、
「全てが揃うと例の自販機の味なのでトッピングありを頼むと幸せになれます」
「甘しょっぱい! 七味も合う! 不思議味!」
「追い七味が最高です」
など、うどん・そばのつゆにソフトクリームという不思議な味を楽しむ人たちの声が集まっている。
かなり意外な組み合わせだが、一体どんな経緯で誕生したのだろうか?
Jタウンネット記者は9月13日、道の駅あきた港 ポートタワー・セリオンを取材した。
「しょうゆソフト」が売れるなら...
取材に応じた販売管理責任者は、「うどんそば自販機つゆ味ソフト」を販売した経緯についてこう語った。
「秋田では、しょうゆを製造している会社でよく『しょうゆソフト』を売っているんです。それで、『しょうゆソフトが売れるならめんつゆのソフトも売れるのでは?』と思いました」
「もともとは、うちで『ババヘラソフト』(編注:秋田のご当地アイス「ババヘラアイス」をソフトクリームにした商品)というのを売っていまして、新しい味のソフトクリームを作ろうという話になったんです。
そこで、道の駅あきた港で他に有名なのは、レトロ自販機(うどんそば自販機)だということで、うどんそばのつゆを使ったソフトクリームを販売することにしました」
実は、同駅ではソフトクリームの他にも「うどんそば自販機」にちなんだ商品が多数販売されている。
キャンディーやパウンドケーキ、和風ぷりんのような甘じょっぱさを売りにしたスイーツだけでなく、自販機のロゴをあしらったキーホルダーやトートバッグなど、グッズも展開している。いずれも同駅限定の商品だ。
それら「うどんそば自販機」シリーズの1つとして、4月から新発売されたのが、「うどんそば自販機つゆ味ソフト」というわけだ。
ソフトクリームを細く絞り、麺を再現
販売管理責任者は、このソフトを「できるだけうどんやそばに形を近づけるよう」努めたと話す。
えびせん、天かすのトッピングはもちろん、肝心のソフトクリーム部分にもこだわりが。
ソフトクリームが出てくる機械の口を小さくすることで、一般的なソフトクリームより細く絞り出され、見た目がまるで麺のようになるのだ。
さらに、七味はかけずに提供され、店頭に吊るされているペットボトル入りの七味をお客さんがお好みでかけることができる。まさに、うどんやそばを彷彿とさせる食べ方だ。
そんなこだわりの詰まったソフトリームについて、人気のほどを尋ねると、
「コロナ禍ということを踏まえれば、売上はそう悪くないんじゃないでしょうか」
という答え。
数多のご当地商品がオンライン販売などで購入できてしまう昨今、道の駅あきた港でしか食べられないレアさには、どうしても惹かれてしまう。
秋田が推す「甘じょっぱい」おいしさを、ぜひ体感してみたい。