「『この人が譲ってくれるはずだから』 自由席に座る私の顔を、知らない親子がジーっと覗き込んできて...」(北海道・40代男性)
せっかくゲットした座席だけど、もう立つしかない。だって目の前の親子が、こんな会話を交わすから......。
「お母さん、座れないの?」
「大丈夫よ、ここのお兄ちゃんが席を譲ってくれるはずだから」
北海道在住のK太さん(仮名、40代男性)から、電車内で遭遇した母親の態度に唖然としたという体験談がJタウンネット編集部宛に届いた。
30年ほど前、正月の里帰りでJR札幌駅から釧路駅を目指していた彼。あいにく指定席券を買えなかった。
自由席をゲットするため、1時間前から真冬のホームに並んでいたという。
寒さに耐え抜き、自由席へ。無事に席をゲットし、一安心のK太さん。
しかし、1組の親子が彼の目の前にたち、「あの会話」を始めた。
顔を覗き込んでくる親子に、仕方なく...
今から30年くらい前の話です。
地元釧路管内から札幌の高校に入った自分は、正月に里帰りしようとしていました。
JRの指定席がいっぱいで買えなかったので、1時間前から自由席車両に乗る列に並ぶことに。
当時、札幌駅から釧路駅までは5時間はかかる長距離。高校ラグビー部で体力に自信がある自分もさすがに座りたい距離でした。
雪の降るホームで1時間並び、無事に座席を確保。帰省ラッシュで混雑する車両は、立って乗っているお客さんもいました。
空港のある千歳からはより一層混雑しだし、自分はその時、驚愕の体験をすることになったんです。
自分のすぐそばには、母と娘の2人組が立っていたのですが......。4歳くらいの娘さんが、母に
「お母さん、座れないの?」
と聞いており、不憫に思ったものでした。しかし、その瞬間、
「大丈夫よ、ここのお兄ちゃんが席を譲ってくれるはずだから」
と言って、その母親が自分の顔を覗き込んできたのです。娘さんもこちらの顔をジーッと見つめてきます。
もう寝たふりは、間に合いません。仕方なく席を譲ることにしました。
「どうぞ」
すると、当たり前のようにお母さんが座り、膝に娘さんを乗せました。
あれあれ?1時間並んでやっと手に入れた席だったんだけどなあ。しょうがないか。
しばらく黙って立っていました。
すると、すぐそばのおじいちゃんが
「兄ちゃん、災難だったなあ。札幌駅のホームで雪の中、震えながら並んでたの見てたよ。釧路までなんだろ?それでも席を譲ってやるんだな。兄ちゃん、いいヤツだな」
と言ってきたのです。
お母さんの顔は真っ赤になって...
そのおじいちゃんは、こうも続けました。
「オレも釧路までだ。あと4時間ちょっとあるけど、兄ちゃんと交互に座ろうと思う。1時間交代でどうだ?」
いやいや、自分は若いし座っててください。彼にそう伝えると、
「オレも交代する。そしたら負担が少ないっしょ」
「私も。さすがにさっきのはかわいそう」
という乗客が他にも現れ、結果6人と交代で座ることに。
世の中、捨てたもんじゃありませんね。娘さんを膝に乗せたお母さんの顔は真っ赤になっていました。
「のりもの」でモヤモヤした出来事、募集中
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