傘に広がるのは、星空と路線図 小田急線コラボのレンタル傘に反響「まさに銀河鉄道じゃん」
急な雨に降られたときでもビニール傘を買わずに、普通の傘をレンタルできる。そんな傘のシェアリングサービス「アイカサ」を皆さんはご存知だろうか。
2018年12月の開始から傘のレンタル、返却ができるスポットは首都圏を中心に全国各地に拡大。借りた傘は雨が止んだら最寄りのスポットに返却すればいいという便利さやビニール傘を無駄に買わなくていいというエコの観点から人気を集めている。
そんなアイカサで借りられる傘のデザインの1つが、ツイッターで話題となっている。
何の柄か、お分かりいただけるだろうか。
ぱっと見ると夜空に星座が浮かんでいるように見える。ところどころに書かれた文字は、星の名前だろうか?
そう思ってよく見てみると、その内容は「Yamato」、「Ebina」、「SagamiOno」、「Machida」などなど。
そう、実はこれ、小田急線の路線図なのだ。
「小田急線をより身近に」
このデザインは、「アイカサ」と小田急電鉄(東京都)がコラボして誕生した。あるツイッターユーザーが21年8月に写真を投稿したことで注目を集め、
「プラネタリウムぽくて素敵」
「かわいいこれ欲しい」
「まさに銀河鉄道じゃん」
「デザインのアイデアが天才的ww」
と話題になった。
Jタウンネット記者は2021年8月20日、アイカサを企画・運用するNature Innovation Groupを取材し、広報担当者に話を聞いた。
今回注目された小田急傘は、19年12月から小田急線の新宿・町田駅間の各スポットに設置されているもの。小田急線が「アイカサ」を導入しはじめたことがコラボのきっかけとなった。
「元々、小田急線の、特に新宿駅では乗降客数も多いことからビニール傘の使い捨てが問題となっておりました。その削減および駅前美化のためにアイカサを導入していただくことになりました。19年8月から試験的に新宿エリアのみで、11月から本格的に小田急線沿線のスポットに展開しはじめました。その流れの中で、このコラボ傘も生まれました」(広報担当者)
ハイセンスなデザインが話題となったこの傘、どんなところにこだわったのか聞いてみた。
担当者は
「小田急線をより身近に感じてほしい、ということでデザイン性だけではなく駅のスポットも入れた傘にしました。この傘をさすことで雨の日が素敵な日になるように、という思いもこめています」
と話す。
また、今回小田急傘がツイッター上で話題となったことについては
「まずは利用者の方が路線図の星座、というデザインに気が付いてくださったことがとても嬉しいです。また、『素敵』、『いい取り組み』、『可愛い』といったデザインを褒めていただいているコメントも見かけました。
アイカサは環境に優しい、便利、という点での評価をしていただくことが多いのですが、こうやってデザインについて『使ってみたい』と思っていただけたことを嬉しく思います」
とコメントした。
Ziplocをリサイクルした傘も人気
元々、「雨の日を快適に、ハッピーに」をテーマとしているというアイカサは、デザインも豊富。アイカサオリジナルのシンプルな黒傘をはじめ、各地域や企業とコラボしたデザインが現在(21年8月20日時点)で18種類もある。
そこでJタウンネット記者は、今回話題となった小田急傘以外には、どんなデザインの人気があるのか、聞いてみた。
担当者によれば、若者中心に大人気なのが「Ziploc傘」。
旭化成ホームプロダクツが販売する保存容器の「Ziploc」とコラボしたこの傘。なんと本物の「Ziploc」をそのままリサイクルして使用しているそう。アパレルブランドの「BEAMS」がデザインしたということだが、確かにとてもオシャレだ。西武池袋線の池袋・飯能間を中心に運用されている。
そしてもう1つが、東京駅エリアを中心に運用されている「東京駅傘」。
「江戸時代の本物の古地図を取り寄せて制作したデザインです。ちょっと大人の雰囲気の傘となっております」(広報担当者)
Ziploc傘は若者を中心に人気があるが、この東京駅傘は少し上の世代から支持されているそうだ。
東京駅は古くからの街並みも多いことからこのようなデザインになったとしており、他にもコラボする街や地域、企業にあわせた様々なデザインの傘を展開している。
主な展開エリアは決まっているが、借りた人が各々のスポットで返却するため、全国に各地の傘が広まっているとのこと。アイカサのスポットを見つけたら他の地域の傘を探して借りてみるのも楽しいかもしれない。
なお、アイカサについての詳細は、公式ウェブサイトで確認できる。