「橋のど真ん中でコンタクトレンズを落とした私。這いつくばって探していると、どんどん人が集まってきて...」(埼玉県・50代女性)
探すうちに、だんだん日も暮れてきて...
「友人と2人でお茶した後、ぶらぶら歩く帰り道でのことです。平和公園の元安橋を渡りかけた時に強い風が吹き、あっ!と思った瞬間に片方のコンタクトレンズが外れて落ちてしまったのです」(N原さん)
「どうしよう!」と焦ったN原さんは、その場でしゃがみ込んで必死に見回すも、レンズは見つからず。
「友人も一緒に探しながら、『ないね』、『小さいし見つからんかも』『風で飛んでしもうたかね』などと話しながら這いつくばっていました。
すると、通りがかりの人が『どうされましたか?』と声をかけてくださいました」
N原さんが事情を説明すると、その通行人は「それは大変ですね、手伝いましょう」と言って、一緒に探してくれたという。
しかも、N原さんたちを手伝ってくれたのはその通行人だけではなく......。
「さらに、そこに歩いてきたカップルが『大丈夫ですか?』と声を掛けてくれました。事情を話すと、そのカップルも一緒に探し始めてくだいました。
私はといえば、見知らぬ方々に親切にして頂きありがたいやら恐縮やらで、『もう少し探して無かったら諦めます。日も暮れてきたし、もうほんとに申し訳ないので』と、お礼の言葉と共に伝えましたが、皆さんはそれでも探し続けてくださいました」
もう見つからないかもと思いつつ、「手伝ってもらっている以上見つけないことには切り上げられない」と、N原さんも必死に下を向いて探し続けた。そして、ついに......。
「突然大きな声で『あったぁ!!』と声が上がりました。 見ると、学生さん風の方が橋の袂で片手を上げてすっくと立ち上がっておられたのです。
『わあーー!』と歓声が上がり、私が気づくと周りには10人くらいの方が拍手しながら笑顔でした。行き交う人の中、橋の上でしゃがみ込んだ姿を見て、通りがかりに立ち止まった方々がいつの間にか次々と一緒に探してくださっていたのです」(N原さん)
ようやくコンタクトレンズが見つかった時には、辺りはすでに日が暮れ、街頭の明かりが灯っていた。
「通勤通学の帰り道の方、観光客らしき方......探してくれた皆さんに、橋のど真ん中で大声でお礼を言いつつ、何度も頭を下げながら感謝で胸が一杯な私でした。
以来、誰かが困っている様子に出会ったら躊躇なく声を掛けています。
私のありがとうの気持ちは、今も続いています」(N原さん)
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな、あの時自分を助けてくれた・親切にしてくれた人に伝えたい「ありがとう」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。
そこでJタウンネットでは読者の皆様の「『ありがとう』と伝えたいエピソード」を募集したい。
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