ユルいにもほどがある... 江戸時代の職人が作った狛犬が「鼻ペチャ犬」にしか見えない
狛犬といえば、思い浮かべるのは犬や獅子に似た石像だが......横瀬八幡神社にいるのは、こちら。
離れた目と少し垂れた眉、横に広く開かれた口。普段よく見る凛々しい顔をした狛犬たちとは似ても似つかないが、これはこれで非常に愛らしい。ぺちゃんと座りこんでいるかのような胴体は、まるでカエルのようだ。
これは2021年6月28日、ツイッターユーザーの一魁斎 正敏(@ikkaisai)さんが
「修善寺・横瀬八幡神社さんのユルい狛犬」
として投稿した画像。この「ユルい狛犬」に対し、ツイッターでは
「ユル狛犬、かわいい」
「赤塚不二夫先生が描きそうなお顔」
「パグそっくりですねぇ」
「狛犬マニアの血が騒ぎます」
といった反応が寄せられている。
「当時の石工が狛犬を見たことがなかったため...」
この狛犬について調べると、伊豆市公式の観光情報サイトに「横瀬八幡神社(子宝開運)・変わった狛犬さん」のページで、こんな紹介がされていた。
「台座には『奉納宝暦十三年十一月吉日』とあり、1757年に奉納されたことがわかります」
現代のゆるキャラのような顔をしているが、今より260年以上も前に作られた歴史あるものらしい。
また、
「この狛犬は、当時の石工が狛犬を見たことがなかったため、口伝のみの想像で彫られたものと言われています」
とも記載されていた。
聞いた話だけで作ったということなら、むしろよく出来ているのではないだろうか......。
ちなみに同市の天城神社にも、この狛犬と似た狛犬がいる(詳しくは「なんだかシュールな『ブサカワ狛犬』に注目 なぜこんな顔に?神社に聞いてみると...」参照)。
こちらは、横瀬八幡神社の狛犬が奉納された8年後、1765年の奉納。
どことなく似たゆるさを持つ2社の狛犬。同じ市内にあることだし、なにか関係が......と想像してしまうが、そのつながりは不明らしい。
忘れられない愛嬌を持った変わった見た目の狛犬たち、ぜひ伊豆市まで会いに行きたいものだ。