「トランジットで寄った空港で、間違えて入国。初めての飛行機、初めての海外、パニックに陥っていると...」(神奈川県・40代女性)
「記念にパスポートにスタンプを押してもらおうと...」
今から30年前。当時大学2年生だったU夏さんは英国へ、念願の短期留学へ行くことに。
しかし、地方に住んでいた彼女は飛行機に乗ったことがなかった。羽田空港までは親が一緒だったが、成田から目的地であるロンドン・ヒースロー空港まではもちろん一人きりだ。
「夏の混雑期ということもあり直行便がとれず、ベルギーで一度トランジットをしてからのヒースロー入りでした。
留学センターでは乗り継ぎの具体的な説明などはなく、私は簡単に電車の乗り換えのように乗り継ぎの飛行機が隣にいるような感じで出国しました」
数時間後、U夏さんは予定通りベルギーに到着。乗客が全員降りたので、彼女もその流れに乗った。
次のフライトまで2時間ちょっと。もちろん、降りた場所を見ても乗り継ぎ予定の飛行機がとまっているはずもない。
「さて、これからどうすればいいのか...と歩いて行くと、他の人はパスポートにスタンプを押してもらっています。
私も記念にスタンプを押してもらおうと進んでいくと、そこは空港の通常フロア。私は気づかないうちにベルギーに入国してしまっていました」(U夏さん)
どうしたらいいのかわからずパニックになり、慌てふためくU夏さん。すると、そんな彼女に声を掛けてくる人物が......。
「同年代の日本人の女の子が『どうしたの?』と声をかけてくれました。
イギリスに向かうはずが間違えて入国してしまったことを伝えると、『お父さん!!この子、イギリスに行くのに間違えて出てきてしまったんだって』と伝えてくれて、その女の子、ご両親、私の4人で空港内を走りました」(U夏さん)
その後、その女の子の父親がドイツ語かフランス語で職員に事情を説明してくれたおかげで、ベルギーから「出国」できることに。乗り継ぎの飛行機までは空港職員が付き添ってくれたそうだ。
「あの時の海外赴任中のご家族のおかげで、留学を終えることができました。
ベルギーではとにかく走りっぱなしでお礼も満足に言えないままでした。
お元気ですか? 私は、経験を生かして航空会社に就職しました。
あの時は、本当にありがとうございました」(U夏さん)
「忘れられない旅先でのエピソード」、教えて!
コロナ禍で旅行に行きづらい今、せめて過去の旅行の素敵な思い出を振り返りたいという人も多いだろう。
そこでJタウンネットでは読者の皆様の「旅先のほっこりエピソード」を募集したい。
読者投稿フォームもしくは公式ツイッター(@jtown_net)のダイレクトメッセージ、メール(toko@j-town.net)から、旅行に行った時期・場所、具体的なエピソード(どんなことにほっこりしたのか、どんなことで助かったのかなど、500文字程度~)、あなたの住んでいる都道府県、年齢(20代、30代など大まかで結構です)、性別、職業を明記してお送りください。秘密は厳守いたします。