まさに日本列島の「血管」だ... 「川だけで描いた地図」からあふれ出す生命力がすごすぎる
「川だけで日本列島を描いてみたら......」という構想を、実際に可視化した次のようなツイートが、2021年6月14日に投稿され、話題になっている。
上の画像は、河川を水系で塗り分けてみたものだ。水系とは、河川と、それに合流する河川や湖沼を体系化したもので、日本には109個の一級水系があるという。それにしてもなんとも精緻な構図だろう。川を描いたはずなのに、日本列島の地形の骨格が浮かび上がっているようだ。
「にゃんこそば」(@ShinagawaJP)さんが投稿したツイートには、4万4000件を超える「いいね」が付けられ、今も拡散している(6月17日夕現在)。
「海に出られない淡水魚にとって、別の水系は宇宙のごとく遠いのかも」とコメントされているが、なんとも感慨深い。
ツイッターには、こんな声が寄せられている。
「これはおもしろいですね。見ていて飽きません」
「まさに生命線......列島を生かす血管のようですね!!」
「信濃川水系も存在感あるし、大阪平野の淀川水系の存在感。昔、大和川が大阪城付近で淀川に合流していた跡もはっきりとわかります」
「東京・名古屋・大阪が栄える理由が目に見えますね」
水系を可視化して、日本列島を描く。この大胆なツイートのきっかけは何だったのだろう?
Jタウンネット記者は、投稿者の「にゃんこそば」さんに詳しい話を聞いた。
毛細血管から「静脈」へ?
投稿者「にゃんこそば」さんは、ツイートのきっかけについて、こう語った。
「関東甲信越の梅雨入りのニュースを聞いて、雨や水のネタで何か『可視化』できないかな?と考えていたところ、ふと思いついて作成してみました。構想10分、作成1時間といったところでしょうか」(「にゃんこそば」さん)
――作成しながら、何か気づいたことがあったのだろうか?
「改めて川だけで描いてみると、淀川水系が福井県(敦賀)の近くに及んでいたり、甲武信ヶ岳(埼玉・山梨・長野の県境)に降った雨が日本海・駿河湾・東京湾・太平洋の4箇所に流れたり......と、とにかく発見が多くて楽しかったです。
流域の境目をもっと詳しく見てみたくなり、流域ごとに塗り分けた日本地図も追加で作成・投稿してみました」(「にゃんこそば」さん)
――作成にあたって、とくに苦労した点は?
「さくっと作ったので苦労した点は多くないのですが、強いていうと川への色の付け方でしょうか。
最初に投稿したバージョンでは、利根川・那珂川などの隣り合った河川にたまたま同じ色が振られてしまい、利根川水系が実際よりも広く見えてしまいました(その後、修正版を投稿しています)」(「にゃんこそば」さん)
ツイッターの反応の中で、何か印象だったものはあったのだろうか? 「昔の令制国の分け方に近いね、といったコメントが多かったので、地図帳を探してみたら、一致する部分が多くて驚きました」と「にゃんこそば」さん。
――「血管のようだ」という感想も多かったですね?
「私も毛細血管と動脈に例えてコメントしたんですが、人体に詳しい方から『毛細血管から太い血管に流れるので、(太い河川は)静脈的に見たら良いでしょうか』といった反応をいただき、なるほどとなりました」(「にゃんこそば」さん)
なお投稿者は、利根川水系の修正版について触れていたが、下記がその修正版ツイートだ。
水系を「見える化」して、日本列島を俯瞰してみる試みは、今も続いているようだ。読者は、何を感じただろうか?