「友人との旅行中、スリに遭いかけ、携帯も行方不明に。そんな私に現地のお兄さんが...」(東京都・30代女性)
親しい友人と一緒の旅行はやっぱり楽しいものだ。
特に海外旅行では、少なくとも見知らぬ土地に一人ぼっちではないというだけで、随分と気が楽になる。
ただ、時には思わぬ別行動を強いられる場合も。そうなると途端に心細くなるものだ。
そんな時、たとえ短時間であったとしても、一緒に行動してくれる現地人と巡り合えたなら......。
コロナ禍でなかなか旅行に行けない今、かつての楽しい思い出を振り返ろうとJタウンネットが「旅先でのいい話」を募集したところ、東京都の30代女性I美さん(仮名)から、まさにそんなエピソードが寄せられた。
友人が現地のツアー会社に携帯を置き忘れてしまい......
今から7年前の夏のこと、友人と2人でモロッコを訪れたI美さん。
夕方、登山のツアーに申し込むために現地のツアー会社数社を回り、その後、砂漠へ行くための高速バスのチケットを購入するために、マラケシュ旧市街の端にあるバスターミナルを目指してバスに乗り込んだ。
ところが、バスに乗った瞬間、友人が携帯電話をツアー会社に忘れたことに気づいたという。
「早く携帯電話を回収したい気持ちと、予定通り旅を続けたい気持ちの両方に挟まれて、結局二手に分かれて、私一人でバスチケットを購入することになりました」(I美さん)
友人はツアー会社に戻り、I美さんは一人目的地のバスターミナルへと向かった。
無事に到着はしたものの、高速バスのチケットを購入しようにも、そこではフランス語かベルベル語しか通じなかった。周りにも地元民のおじさんしかおらず、アウェイを感じて困り果てていたという。
そんなI美さんに、一人の男性が声を掛けた。
「地元のお兄さんが流暢な英語で話しかけてくれて、私の行先を聞いてくれました。
それから、翌日が現地では宗教的な祝日で、地元民がみな田舎の実家に帰るからか、そのバスターミナルでのチケットが完売したらしい、といったことを教えてくれました。
彼も実家行きのチケットを買えなかったからか、一緒に新市街にある別のバスターミナルへ行ってみることを提案してくれて、2人でタクシーで向かいました。タクシー代はお兄さんが支払ってくれました」
その後、I美さんたちは新市街の別のターミナルでそれぞれのチケットを無事入手。地元のお兄さんとはそのまま解散......とはならず、彼はI美さんを彼女が宿泊していたホテルまで送ってくれたという。
「この時すでに空が真っ暗になったのを気にして、お兄さんは旧市街までタクシーで連れていってくれました。タクシー代は、またお兄さん持ち。しかも、迷路のような旧市街の中を迷いなくホテルまで案内してくれました」
バスのチケットを購入するという同じ目的があったとはいえ、自分の用事を済ませた後もI美さんに付き添い、ホテルまで送ってくれたという彼。とっても紳士的なお兄さんだ。
「ほいほいと知らない男について行った当時の自分は怖いもの知らずだと思います。
実は、その前日にはにスリに遭いそうになっていたし、友人の携帯電話も結局行方不明のまま。
その状況のなか、こんなに他人に親切にできる人と出会えたおかげで、このモロッコ旅は良い思い出になりました」(I美さん)
「忘れられない旅先でのエピソード」、教えて!
コロナ禍で旅行に行きづらい今、せめて過去の旅行の素敵な思い出を振り返りたいという人も多いだろう。
そこでJタウンネットでは読者の皆様の「旅先のほっこりエピソード」を募集したい。
読者投稿フォームもしくは公式ツイッター(@jtown_net)のダイレクトメッセージ、メール(toko@j-town.net)から、旅行に行った時期・場所、具体的なエピソード(どんなことにほっこりしたのか、どんなことで助かったのかなど、500文字程度~)、あなたの住んでいる都道府県、年齢(20代、30代など大まかで結構です)、性別、職業を明記してお送りください。秘密は厳守いたします。