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なぜこんな状態に...? 「バグ」が発生した石鳥居に注目集まる

大久保 歩

大久保 歩

2021.05.15 08:00
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真ん中からまっぷたつ(写真はえぬびいさん提供)
真ん中からまっぷたつ(写真はえぬびいさん提供)

神社に必ずと言っていいほどある、「鳥居」がなぜか歪んでいる――そんな投稿が、ツイッターで話題だ。

これは、ツイッターユーザーのえぬびいさん(@enuenuenubi)が栃木県大谷町にある立岩(たていわ)神社で撮影し、2021年4月27日に投稿したもの。

「鳥居にバグが発生している」......そんな表現とともに投稿された上の写真は、たしかに、鳥居の真ん中から右側がほぼ直角に曲がっているように見える。

時空の歪み...?(写真はえぬびいさん提供)
時空の歪み...?(写真はえぬびいさん提供)

別の角度から見てみると、回っているほうの石には隣の木が絡みつくように枝をのばしているのがわかる。

いったいなぜこんな「バグ」が......?

Jタウンネット記者は5月11日、記念碑や石像など石製品全般を扱う杉田石材店(愛知県岡崎市)に鳥居の写真を見てもらい、見解を聞いた。

見た目よりバランスがとれている?

取材に応じた同社の広報担当者によると、大きな鳥居は笠石(いちばん上に載っている横長の石)を真ん中で2分割にして、片方ずつのせるやり方で建てられることが多い(分割せずに作る「1本笠」という方法もある)。

大きな鳥居を建てる場合、笠石もその分大きく、長くなるため、そのサイズの石材を用意するのが大変だからだ。搬入や設置など、取り扱いを楽にする意味もある。

写真の鳥居も同様に、笠石を2分割して建てられた可能性があり、これが「歪み」の原因かもしれないそうだ。

広報担当者は、「この様なケースは聞いた事が無い為判断がつきにくいのですが」と前置きした上で、こう説明した。

「弊社で2分割の笠石の鳥居を施工する場合は『かすがい』といって接合部を金具で固定する為、経年劣化が起こってもこの様な状態にはなりにくいと思います。
ただ、昔に建てられた鳥居は現在と施工方法も違い、もしかしたらかすがいも使用していないかもしれません」

接合部にかすがいを使用せず、セメント等のみで接着されている場合は、劣化が進んでいれば風で木の枝が揺れて押されたり、単純に木の成長で少しずつ押されたりといった要因で、歪んでしまう可能性もあるという。たしかに、鳥居の笠部分には木が絡みついていたが......。

しかし、重そうな石が上にのっているのに、よくバランスを保っている。

これについても聞いてみると、

「柱と笠の間にピンが入っていれば笠は外側の方が厚く重くなっているので、ねじれても見た目よりバランスが取れていてそのままの状態で倒れずに立っているのかもしれません」

と広報担当者。どうやら、この鳥居は経年劣化で接合部が外れてしまったものの、奇跡的なバランスで立ち続けているようだ。

この不思議な光景について、投稿のリプライ欄には

「老朽化と地震に一票入れます」
「『三柱鳥居』のような鳥居が崩れたようにも見えますね」
「これは...異界の門が開かれとるね...」
「袂に隠してあるボタンを特定の回数押すと形が戻って『扉』が開くよ」

など、さまざまな意見が飛び交っている。

これからもなんとか立ち続けてほしいものだ。

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