にゃんこ愛から生まれたワインが「可愛すぎる」と話題 ラベルの猫とワイナリー社長の運命的な出会いとは
猫好きにはたまらないワインが長野県にある......そんな投稿が、ツイッターで注目されている。
そのワインとは、「アルプス」(長野県塩尻市)というワイナリーで製造・販売されている「necoワイン」赤・白。
ネコとワインが持つ共通の効果――「癒し」を与えてくれ、さまざまな料理に合わせやすく、気軽に楽しめるというワインである。
気品漂う猫がプリントされたラベルが目を引くが、どうやらこれはアルプスの社長が飼っている猫らしいと、ツイッターではもっぱらのウワサだ。本当だろうか?
Jタウンネット記者は2021年4月20日、アルプスの矢ケ崎学社長に詳細を聞いた。
猫たちの性格をデザインに反映
「赤(のラベルの猫)はピクルスで、白はムースといいます」
矢ケ崎社長は、電話ごしにも猫への深い愛情が伝わるほがらかな声で、「ラベルになっているのは社長の猫」というウワサを肯定した。赤と白それぞれ、違う猫の写真が使われているが、どちらも社長の愛猫だという。
「necoワイン」が発売されたのは、16年。海外のワインに動物のラベルを使ったものが多く出てきた時期だった、と矢ケ崎社長。
「日本で猫のラベルのワインを作るとしたら、じゃあうちにいる猫でいいじゃないかと(笑)
猫の写真って、ケータイでたくさん撮るじゃないですか。その中から選びました」
赤ワインの「ピクルス」の傍らにはワイングラスが倒れて中身がこぼれており、白ワインの「ムース」はマスカットをくわえている。これらのデザインも、社長自ら考案した。
「猫たちにもそれぞれ個性がありますから、ラベルもそれぞれの性格を反映しているんです。ピクルスくんはすごく我が強い子なので、(ワインを)こぼしても『オレのせいじゃない』とエラソーにしている。
ムースは普段、遊んでいるときにおもちゃとかをくわえて私のところに持ってくるんですよ。だから(ラベルでも)ぶどうをくわえているわけです」
まさに、愛猫の個性を知り尽くした、飼い主にしかできないデザインというわけだ。
「ピクルスは長男が拾ってきた子で、ムースは子猫の頃、会社(アルプス)の資材倉庫にあった段ボールにはさまっていてね。その近くで親猫が鳴いて助けを求めていたんですよ」
取材中、社長の猫トークは止まらなかった。
「そのはさまってた子猫があんまりかわいかったもんだから、助けた後、親猫に聞いたんですよ、『この子もらっていいか?』って。
そしたらね、親猫がその場を立ち去ったんです、『まかせた』って言うみたいに。それが11年のことでした」
そんな運命的な出会いを果たしたムースは、現在10歳。ピクルスは13歳だそう。
2匹がそれぞれラベルに登場する「necoワイン」は、いずれも直営店「野田屋」(塩尻市)と公式オンラインストアで販売中だ(各892円・税込み)。
猫への愛が詰まったワインは、きっと猫好きの舌と心を癒してくれるのでは。