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込めたのは復興への祈り 地震で崩れた熊本城の瓦を、ブルーシートで包んだ「二度と落ちない」お守りに反響

松葉 純一

松葉 純一

2021.04.14 20:00
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デザインで何か役に立てることは?

画像提供:BRIDGE KUMAMOTO

投稿者のライカさんは、4月6日~8日開催のミュージカル「刀剣乱舞」熊本公演を観るために、熊本を訪れたという。会場が熊本城に近かったので、立ち寄ったのだ。

「お守りを見つけたのは、熊本城天守閣正面の休憩スペースにあるお土産コーナーです。ちょうどレジの直ぐ横にあり、『熊本城の瓦入り』という文章に惹かれて購入しました」(ライカさん)

実は、ライカさんは岡山県在住。こんなことを思い出したという。

「袋をブルーシートで作っているとの説明を読んで、思い出したのが地元岡山県の西日本豪雨災害でした。私は直接の被害はありませんでしたが、よく通る道が1メートル以上水没していた光景はショックでした。熊本も地震・水害と立て続けに被害に遭っていることと、西日本豪雨の際に全国から支援をいただいたことが思い出されて感極まりました」(ライカさん)
画像提供:BRIDGE KUMAMOTO

次に、Jタウンネット記者は、4月14日、開発元の「BRIDGE KUMAMOTO」に電話取材した。デザインを通して熊本の復興を目指す団体だ。

取材に応じたのは、代表の佐藤かつあきさんだった。

話題になっている「熊本城瓦御守」には、熊本地震で崩れた熊本城の瓦のかけらが入れられている。瓦は、被災した住宅などで使われたブルーシートの切れ端で包まれている。

「5年前の今日、熊本地震が起きたわけですが、その後、町の機能は完全にストップしておりました。自分自身、デザインの仕事がまったく動かないので、時間をもてあましていました。デザインという仕事で何かお役に立てることはないのか、考えあぐねていたのです」(佐藤さん)

そんな時、地震で落ちた熊本城の瓦を、何か有効活用できないか、という話があったという。

1トン1000円ということだったが、1トンだと置き場所もないからということで、とりあえず約300キロ譲ってもらったそうだ。

画像提供:BRIDGE KUMAMOTO
「御守にしたらどうか、というアイデアは、その後、生まれたのです。ブルーシートは既に確保済みでしたから、瓦をブルーシートで包んで、袋に入れてみました」(佐藤さん)

御守は、加藤清正公を祀った加藤神社で「復興祈願」をご祈祷してもらったという。

御守の表面には、「後来不落」と記されており、「二度と落ちない」という意味が込められている。復興祈願のために熊本城の売店などで販売している。

受験生をはじめ、身近な人への安全・安心の御守として、人気が出ているそうだ。

佐藤さんが代表を務める「BRIDGE KUMAMOTO」は、ソーシャルデザインというコンセプトの下、さまざまな活動を行っている。「熊本城瓦御守」をはじめ、被災地で使用された廃棄資材を再活用した「ブルーシードバッグ」の販売による収益の一部は、復興支援に寄付されているという。またイベントやワークショップをとおして、地域社会への働きかけも行っている。

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