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いわば「景色の良い居酒屋」? 競馬に詳しくなくたって、競馬場が楽しい理由

福田 週人

福田 週人

2021.04.08 20:00
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最近なにかとツイッターなどで話題になっている、ソーシャルゲーム「ウマ娘 プリティーダービー(以下、ウマ娘)」。

実在の競走馬を擬人化したキャラクター「ウマ娘」を育成し、「トゥインクル・シリーズ」と呼ばれるレースでの勝利を目指すという内容の、育成シミュレーションゲームだ。

コミックやCD、テレビアニメなどメディアミックスも多角的に展開され、大変な盛り上がりとなっている。

「ウマ娘の影響で実際の競馬にも興味が出てきた」なんて人も多いのではないだろうか。かくいう筆者もその一人だ。

今回、そんな競馬や競馬場の魅力を語ったツイートが、ツイッター上で話題になっている。それが、こちらだ。

ツイッターユーザーのまっちー(@henna_buttai)さんによる、2021年4月3日の投稿だ。ツイートには、かつてまっちーさんが訪れた競馬場の写真とともに、「競馬場は景色の良い居酒屋です」という旨のコメントが添えられている。

こちらの投稿に対し、ツイッター上では、

「都会に近くてこんだけ開けた場所ってあんまりないですからね。一面緑で心がやすらぎます」
「俄然行きたくなってしまった」
「お馬さん観るのがおつまみですねw」

といった声が寄せられている。

競馬場は「ギャンブルをする場所」ってだけじゃない

2018年10月7日(G2毎日王冠の開催日)昼ごろの東京競馬場屋外スタンド席(以下、画像はまっちーさんのツイートより)
2018年10月7日(G2毎日王冠の開催日)昼ごろの東京競馬場屋外スタンド席(以下、画像はまっちーさんのツイートより)

Jタウンネット記者は6日、投稿主のまっちーさんに詳しい話を聞いた。今回、競馬場を「景色の良い居酒屋」とコメントしたツイートを投稿した理由について、まっちーさんは、

「競馬場と聞いて、『ギャンブルをする場所』とマイナスなイメージを持たれる方が多いと思いますし、それが当たり前だと思います。私自身それは間違った認識ではないと思いますし、実際に馬券を買っている人が騎手に対して汚いヤジを飛ばすシーンを現地で幾度となく見てきています(笑)」

と前置きした上で、しかし、競馬場に対してただそれだけのイメージを持ってしまうのは「もったいない」とも感じていたと語る。

そんな中、昨今のウマ娘の人気で競馬自体にも関心が高まっていることもあり、競馬場にポジティブな印象も持ってもらうにはどうすればいいか...と考えた末に、

「競馬場で飲食することの楽しさ・心地よさをシンプルに伝えれば興味を持ってくれる方が増えるかなと思い、スマホに残っていた写真を元にツイートをしました」

とのことだ。

「各競馬場で違いはあると思いますが、お酒に関してはジョッキサイズのビールで600円前後、サワー類でおよそ500円ほどであることが多いです。フードも一部の競馬場を除き、一般的な売店よりは少し割高な価格帯であることが多いです。競馬場によってはオリジナルメニューを用意している売店もあります。
私個人としては馬券同様『現地で買うからこそ、より雰囲気を楽しめる!』と思っているので、場内のフード・ドリンクをぜひ堪能してほしいです」

ただ、残念ながら現在はコロナ禍の影響で、飲食物の販売や場内での飲酒を休止・制限している競馬場も多い。いずれ世の中が落ち着いたときのお楽しみとして、覚えておくことにしよう。

2019年12月28日(G1ホープフルステークスの開催日)10時ごろの中山競馬場屋外スタンド席
2019年12月28日(G1ホープフルステークスの開催日)10時ごろの中山競馬場屋外スタンド席

では、そんなまっちーさんが考える「競馬や競馬場の魅力」とは何なのだろうか。記者が改めてまっちーさんに訊いてみると、

「競馬好きとしてではなく、一般的な視点で魅力を述べさせてもらうと『非日常的な迫力・熱気を味わえる』点ではないかと思います。
競馬場で眺めるサラブレッドのカッコよさ・可愛さ、時速60~70kmで駆け抜ける競走馬と騎手のスピード感、競走馬の駆け抜けていく時の足音、ゴール前で騎手が振るうムチの音、歓声...。ギャンブルという言葉で一括りにするにはもったいないくらい、競馬という名の『スポーツ』を体感することができます」

と述べた。

また、競馬場は「馬券を買わないと行けない場所」ではないので、入場料さえ払えば馬券を購入したかに関わらず1日中場内を楽しむことができるため、

「馬券購入が禁止されている未成年も入場自体は可能ですし、入場料といっても通常は100円か200円ほどで済むので(キャンペーンで入場料無料の日もあります)、実は公園に遊びに行くような感覚で足を運べるという点も、魅力の一つなのかなと思います」

と語った。個人的に「競馬場」にはちょっと近寄りがたいイメージがあったのだが、思いのほか気軽に訪れることができる場所だったようだ。

行くだけでも結構楽しめる!

2019年3月3日(G2弥生賞の開催日)昼ごろの中山競馬場スタンド内指定席
2019年3月3日(G2弥生賞の開催日)昼ごろの中山競馬場スタンド内指定席

まっちーさんに取材しているうちに、なんだかますます競馬場に行ってみたい気持ちが膨らんできた。そこで、実際に足を運んだ際にはどのようにして過ごしたらよいか、おすすめの楽しみ方についても聞いてみることに。

「まず一つは、競馬場の敷地内を散策してみることですね。競馬場はメインスタンド以外にも色々な施設があります。
例えば、内馬場(周回コースの内側にあるエリア)ではスタンドとは違った視点でレースを楽しめるし、競馬場によっては広い芝生や子供向けの遊具が用意されていたりもします。
晴れている日だと、敷物を広げてピクニックのように楽しんでいる家族連れの方もよく見かけますよ。時期によっては、ヒーローショーやグルメ展といったイベントが開催されることもあるので、そういった催しに合わせて行ってみるのも一つの楽しみ方だと思います!」(まっちーさん)

そう、競馬場では競馬以外にも色んなイベント開催されることがある。もはやちょっとしたテーマパークのようだ。

もちろん、実際に馬券を買ってみるのも楽しみ方の1つだというまっちーさん。馬券を買ってその馬を応援することで、レースを見る際にもより力が入り緊張感が味わえるという。

「1つの競馬場で1日12レース開催されます。馬券は100円から購入できるので、もし1レースずつ100円分の馬券を買ったとしても1200円。おこづかいの一部を握りしめて行く程度で1日楽しめます!
このほか、『見た目や名前が可愛い』『将来G1レースを勝ちそう』といった理由でお気に入りの競走馬を見つけ、その馬を応援するために競馬場に行く、という楽しみ方も良いと思います。
そして興味を持った方はいつか、G1レースも生で観戦してほしいなと思います。普段のレースでは味わえない熱量・興奮を感じられるはずです」

ちなみに、まっちーさんのおすすめする初心者向けの競馬場は「東京競馬場」と「大井競馬場」。前者は施設も充実していて、ファミリーや若年層も多く初心者でも溶け込みやすいという。

また、後者は都心でナイター競馬を楽しめ、時期によってはイルミネーションが行われているので、仕事帰りにフラっと、ちょっとしたお祭りを見に行くような気分で行くことができるとのことだ。

競馬場に行く人が増えれば本望

2019年10月20日(G1菊花賞の開催日) 9時ごろの京都競馬場屋外スタンド
2019年10月20日(G1菊花賞の開催日) 9時ごろの京都競馬場屋外スタンド

今回の投稿へのツイッターでの反響について、まっちーさんは、

「『少しでもフォロワーさんに見てもらえれば』というちょっとしたPRのつもりだったのですが、ここまで多くの方に同意の声や『行ってみたくなった!』という反応をいただけるとは思いませんでした。とても嬉しかったですし、元々の目的は果たせたのかなと思っています。
また、ここまで反応をいただいたのは、ウマ娘が人気であることも大きかったと思います。私自身、競馬好きも相まってこのコンテンツを楽しんでいますし、ウマ娘を機に競馬に興味を持った方も少なくないはずですので、そういった方にも響いてくれていたらと期待しています」

とのこと。いずれ競馬場の賑わいがに戻った時、今回のツイートで興味を持った人が実際に競馬場に足を運んでより競馬に興味を持ってくれたら、「それは本望です」とコメントした。

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