「期待をお掛けしています」 まるで工事現場な入社式の看板が話題→なぜ作った?社員に聞いた
2021年4月1日、街では新入社員と思われるスーツ姿の若者をちらほらと見かけた。
コロナ禍という特殊な時期ではあるが、期待と不安を胸に多くの人が社会人初日を迎えたことだろう。
入社式も、多くの会社で行われたはずだ。オンラインで...というところも多いだろうが、感染予防をしながら、対面で行ったという会社も昨年よりは多かったような印象がある。
ツイッターでは、そんな入社式でとてもユニークな「看板」を設置したという会社が話題となっている。それがこちら。
「入社式をしています」
と書かれた看板。
そこに書かれているのは、日付と時間帯、場所、そして発注者「新光重機株式会社」、施工者が「先輩社員一同」......?
そう、これは紛れもなく工事現場に置かれている看板だ。工事の案内をする看板を模して、入社式が行われていることが掲示されている。よく見ると、本物であれば
「ご迷惑をお掛けします」
と書かれているはずのところが
「期待をお掛けします」
と上書きされている。また、その隣には
「お願い
新入社員の方は
勉強する姿勢と執念と
ユーモアを持ち続けて下さい」
というメッセージが、頭を下げる係員さんのイラストと共に書かれた看板も。
この形式も工事現場でよく見るものだ。
この画像は2021年4月1日、油圧ショベルカーやブルドーサーなどをはじめとした建設機械のレンタルを行っている「新光重機」(千葉県千葉市)の公式ツイッターが
「本日は入社式!」
と投稿したものだ。
工事現場で働く機械を貸し出す会社の入社式で、工事現場風の看板を掲出するとは......。「らしさ」にあふれる、素晴らしい取り組みである。
「楽しく働いてほしい」の思いをこめて
このユニークかつ粋な入社式の様子に、ツイッターでは
「ユーモア溢れててめっちゃいいですね!!!」
「ドキドキで入社式に来てこんなの置かれてたらスキップで会場入りします」
「こんな洒落の効いた会社に入社したかった」
「期待をお掛けします、素敵」
といった反応が寄せられている。
Jタウンネット記者は2日、新光重機を取材し、ツイッターの担当者にこの看板について詳しい話を聞いた。
この看板を制作した経緯について、担当者は
「この1年間、コロナ禍という状況の中で学生たちも色々と大変だったと思います。
だから少しでも楽しく働いてほしくて、何かできないかと考えた結果、この看板を作りました」
と説明する。同社には今年、7人の新入社員が入ったそうだ。
看板は、重機に貼る「シール」を活用し、社員で手作りしたものだそう。
こういった工事現場風の看板は、19年にも社内の懇親イベントの際に作ったことがあるとのことだった。なんて楽しそうな会社なんだ......。
なお、この看板がツイッター上で話題となったことについては、
「うちの会社に限らず、全国の新入社員がコロナ禍であっても楽しく働ければいいなと思いました。また、これをきっかけにうちの会社や業界のことを知って、興味を持ってもらえればうれしいです」
ちなみに、この看板だが、肝心の新入社員の反応はどうだったのだろうか。
担当者に尋ねると
「ちょうど隣に(新入社員が)いたので聞いてみました。『面白かったです』と言っています」
とコメント。
電話口から楽しそうな笑い声が聞こえてきたので、記者はなんともほっこりしてしまった。
新入社員の皆さんには、どうか気を張りすぎず楽しく健康に、そしてユーモアをもって働いてもらいたい。