この過酷さ、雪国民にしか伝わらない? 「除雪されていない道を無理やり進むこと」を表す方言があった
「えっ、この言葉って標準語じゃないの?」
地元では当たり前に使っていた言葉が実は方言だった――。そんな経験をしたことがある人も多いのではないだろうか。
しかも、その言葉の意味を伝えようと思っても、標準語ではなかなかうまく表現できない...。
そんな「標準語では説明できない方言」は、日本各地に存在しているらしい。
Jタウンネットでは、そんな方言について情報を募集している。
今回は全国から届いている投稿メールの中から、「雪をこぐ」という言葉を紹介する。
「道のない所を押し分けて行く」
北海道の読者から、編集部にこんなメールが届いた。
「北海道では除雪されていない雪面をむりやり直進することを『こぐ』といいます。
雪こいであそこまでいくってかい、のように用います」
雪を「こぐ」......。ずいぶんと限定的な意味のように思える。
この言葉を、「日本方言辞典(小学館、ジャパンナレッジ版)」でひいてみたところ、漢字では
「漕ぐ」
となり、
「雪の中や水田、やぶの中など、道のない所を押し分けて行く」
という意味が記載されていた。
青森県や秋田県、福島県、宮城県、山形県といった東北地方や長野県のような雪国で主に使用されているようだ。
また、源義経やその従者のことを記した「義経記」の中にも
「雪をば深くこぎたり」
といった表現が出てくるとのこと。もしかすると、ずいぶん昔からある言葉なのかもしれない......。
現代でも、雪の降る地域では馴染み深い言葉のようで、ツイッターでは
「腰まである雪漕いだの久しぶりだよ」
「雪漕いだから足冷たいけど上は暑い」
「雪こいだ経験ってみんなあまりないのかな」
「誰も歩いてないから、雪漕いで膝まで雪で埋もれたー!」
といったつぶやきが見受けられた。どうやらツイッターを見ている限りでは、「雪を漕ぐ」のは結構な重労働のようだ。
神奈川出身で、膝まで雪に埋もれるという体験をしたことがない筆者には、あまり想像ができない。そういった意味でも、標準語では説明しづらい方言といえるかもしれない。
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