指を見るたびお腹がすいちゃう... リアルすぎる「寿司ネイル」のこだわりを、ネイリストに聞いた
玉子、サーモン、マグロ、こぼれいくら......。
思わず爪先を口に入れてしまいそうな、非常にリアルな「お寿司ネイル」がツイッターで話題になっている。
こちらは、ツイッターユーザーの@BMb_kngwさんが、2021年3月12日に投稿したもの。
爪に、非常にリアルなお寿司のネタが描かれている。
左手の親指に玉子、人差し指にイカ、薬指にこぼれいくら軍艦。そして右手の薬指にアジ、中指にサーモン、親指にマグロ。
ときおり挟まれるマットな質感のネイルは、寿司下駄をイメージしているらしい。
投稿者によると、「寿司下駄のマット加工が寿司を際立たせる」とのこと。
この、非常にリアルかつユニークなネイルに、リプライ欄では
「おいしそう!!!サーモンが好みです」
「お腹空いちゃいますね」
「たまご♥」
などの声が寄せられている。
このネイルはどのように完成したのだろうか。
Jタウンネット編集部は15日、投稿者の@BMb_kngwさんに詳しい話を聞いた。
きっかけはカレー
@BMb_kngwさんは、毎月、気分が上がる色やテーマを担当のネイリストに伝えて、おまかせで施術してもらっているそう。
「2月にちょっと捻った『バレンタインチョコレートと見せかけてカレー』ネイルをしてもらったのをきっかけに、食べ物系もめちゃくちゃ上手なネイリストさんであることが判明し、爪の形で再現できてちょっと面白い食べ物モチーフを考えたらお寿司になりました」
たしかに、爪の縦長の形はお寿司っぽいと言えなくもない。
今回の見事なできばえには、
「しっかり上品で美味しそうな仕上がりで大満足です」
と、コメント。担当のネイリストを信頼しているため、ほとんどオーダーはせず、おまかせで「握ってもらった」という@BMb_kngwさん。
そんなにすごい人なのか......。気になった記者は18日、@BMb_kngwさんの担当ネイリストであるMARINAさん(@marilyn_0204_)にも話を聞いた。
今回のネタを厳選したいきさつを聞くと、
「鯵、サーモンは私の好きなネタです。お客様のオーダーは『いくらとたまごはマスト!』とのことでしたので、じゃあ私の好きなネタもお邪魔します、ということで仲間入りさせていただきました。
マグロ赤身はお客様とお話しする中で、『王道なのに忘れてた...!』と急遽入れたネタです」
とのこと。記者もマグロが好きなので、急きょラインナップに入ってくれてうれしい。
マットな寿司下駄を挟むことで他のネタを際立たせるというアイデアも、MARINAさんが提案した。
「寿司ネタ以外のデザインをどうしようか考えていて、せっかくならいいお値段のお寿司が食べたいよなぁというところからカウンターに座っている風景を想像し、思い付きました。
ご指名のいくらは絶対に粒をこぼしたかったので、その土台にも丁度いいということで取り入れました。
マット加工にしたのは、ネタのツヤ感を引き立たせる為の引き算のようなものです」
ネイルのお寿司は、回らないほうの高級なお寿司らしい。
今回のネイルで、特にこだわったポイントは、どこだろうか。
「ただ単にネタを描くだけでは面白くないし私が作る意味も無いと思ったので、よりリアル感を追求する為に寿司ネタの断面を想像しながら描いたことです。
3Dプリンターをイメージすると分かりやすいかと思います。断面を何層にも分割してそれを下の層から順に重ねていくことで、サーモンやマグロの筋が本当に奥まで続いているような奥行き感を表現しました。
イクラもひと粒ずつの中に赤色が入っていますし、たまごの色ムラと海苔の厚みのバラつきも描いています。 特に鯵は、一度捌かれる前のピカピカな表面まで作ってから皮を剥いだ銀色の残り方を表現して、切り込みも実際に最後に削って入れています」
次々にあふれてくる言葉からは、ネイルに対する熱い情熱が伝わってきた。まさか、層を重ねていくように描いているとは......それでこのリアルなお寿司が出来上がっているわけだ。
最後に、ネイルの仕事で特に意識していることを聞いてみると、
「私が施術させていただく意味(お客様が私の施術を受けに来てくださる理由)は重要視しています。(中略) 楽しくお話をしたり、相談に乗ってみたり、『付加価値』とか『ストーリー』のあるネイルを提供したいと思っています。
お客様が楽しんでくださるのと一緒に、私自身も楽しむ。お客様からもよく、『本当にネイルが好きなんですね』とか『楽しそうに仕事するよね』と言っていただけます。 自分が楽しんでいる方が、きっとお客様も心を開いてくださると思っています」
と、「仕事の哲学」を聞かせてくれたMARINAさん。
せっかくなら、ただうまいだけでなく、心からその仕事が好きで楽しんで取り組んでいる人にお願いしたい。そう思うのは、どの職種でも同じではないだろうか。
今までネイルにはさほど興味がなかった記者も、なんだかやってみたくなってきた。
それにしても、今は無性にお寿司が食べたい......。