「お寿司模様のレースハンカチ」を買える自販機が横浜にあった いったい何故?設置の経緯を聞くと...
京浜急行電鉄「横浜」駅(神奈川県)のホームに、思わず足を止めてしまうユニークな自動販売機があるとツイッターで話題になっている。
これは、ツイッターユーザーの「陣内@(@LS_assassino)」さんによる2021年2月15日の投稿だ。
注目を集めているのは、なんと「レースのハンカチ」を購入できる自販機である。
レースというと、何だか大人っぽい、敷居の高いものなイメージがあるが、それがなんと駅のホームで購入できるらしい。
しかも、陣内@さんのつぶやきによれば、お寿司の柄やアボカドの柄のレースハンカチがあるらしい。興味深い......。
10万円売り上げる日も...
2月17日、Jタウンネットは投稿者の陣内@さんを取材し、話を聞いた。
生まれも育ちも横浜で「神奈川・横浜大好きなフツーの会社員」だという陣内@さんが、この自販機を訪れたのは15日のこと。翌日に再訪した際には、実際にお寿司ハンカチを購入したそうだ。
このユニークな自販機についての感想を尋ねると、
「率直に『湘南クッキーさんのクッキー自販機ならぬ、ハンカチ自販機ってキてるし、何よりラインナップが予想を遥かに越えてきた』と思いました」
との答え。ちなみに、「湘南クッキーのクッキー自販機」というのは神奈川県内の各地に設置されているクッキーがリーズナブルな価格で購入できる自販機だ。神奈川県、意外とユニークな自販機が多いのかもしれない......。
それにしても、気になるのはこの自販機が設置された経緯だ。
詳細を知るべく、Jタウンネットは3月2日、自販機内の製品を作っている「近沢レース店」(横浜市中区)を取材し、執行役員・営業統括本部長の近澤柳さん(40)に話を聞いた。
近澤さんによれば、この自販機を設置しているのは展示会の設営やイベント企画など多岐に渡る業務を行っている誠友社(神奈川県横浜市)。
同社の社長から「自販機に近沢レースの製品を置きたい」と提案を受けたことがきっかけだったという。
自販機が設置されたのは20年9月。
「ちょっとした忘れ物に対応できる」ことがコンセプトで、販売しているのはレース製のハンカチとマスクだ。
「このコロナ禍において、対面販売だけではない小売りで活路を見出したいと考えていたので、自販機ビジネスを始めました。
元々はうちの商品だけではなく、違う商品も置く予定だったようなのですが、うちだけでやらせてもらえないか、その方がより面白いものになるのではないか、とこちらからご提案して、今の形になりました」
と近澤さんは話す。
「今の時期、マスクを忘れて出かける......ということはあまりないかもしれませんが、ハンカチを忘れたときとか、たとえば取引先に行くときのちょっとした手土産を持っていきたいけど時間がないというときなどに活用してもらえるのではないかと考えています」
とのこと。
1日の売り上げは多いときで10万円ほどになることもあるそうで、マスクとハンカチどちらも同じくらいの売り上げだということだった。
気軽に使えるレースハンカチを
ツイッター上では、お寿司やアボカドといったユニークなデザインのハンカチに注目が集まっていたが、この商品ラインナップはどのように決めているのだろうか。
近澤さんに尋ねると、
「当社では、商品開発の際、既存のお客様に向けたクラシックなデザインのものと、またあまりレース製品に馴染みがない方にも身近に感じていただけるようなデザインを考えています。
レースでは色んな表現をすることができるので、お寿司やアボカドなど、実際に皆さんの周りにあるものをデザインしたりしています。
この自販機は、普段近沢レース店をご利用でない方、ご存知でない方にもご興味を持っていただけるように、話題になりそうなデザインのものを置いております」
と説明。
ラインナップは頻繁に変更されるそうで、2週間に半分は入れ替わるようなイメージとのことで、面白いデザインを求めて何度も訪れたくなってしまう......。
なお、同社では素材にもこだわっており、レースは洗濯機で洗って、そのままアイロンをせず使用できるポリエステル製だそう。
なので、「レース初心者」でも気負わずデイリーユースできるそうだ。
ユニークなデザインと簡単なお手入れ方法、購入も手軽にできるともあっては、レースハンカチやレースマスクのデビューにもってこいである。
レースのハンカチはすぐにくちゃくちゃになってしまうから......と敬遠していたズボラな筆者でも、挑戦できそうだ。
今回、自販機がツイッターで話題となったことを受け、問い合わせもたくさんあったとのこと。
改めて、反響への感想を聞いた。近澤さんは
「他の場所に設置してほしい、東京にもほしい、というようなお声も頂いております。
これは話題になると確信を持って始めたものなので想像通りではあるのですが、実際にこうして拡散していただくと改めてSNSやウェブマーケティングの大切さを実感します。
SNSは、ブランドとお客さんの距離を近づけると思います。直接、こんなものがほしい、とか、これが好きというお声を聞くことができるので、次に置くものや開発するもののヒントにもなり、とても有り難いです。
ぜひ多くの方にシェアしていただき、当社の商品や事業に興味を持っていただければと思います」
とコメントした。