こいつら、面構えが違う... 福島の道の駅で「震度6強を乗り越えた勇者たち」に感嘆の声
「マイナスをプラスに変える発想は素晴らしい」
「道の駅国見 あつかしの郷」は、福島県伊達郡国見町にある国道4号の道の駅だ。
2017年にオープンした比較的新しい道の駅である。国見町のシンボルである阿津賀志山(あつかしやま)にちなんで、「あつかしの郷」と命名された。
投稿者「天然パーマと縮毛矯正」さんによると、撮影したのは2月20日のお昼頃。「自宅から10分程度の距離であるため、2週間に1度の頻度で行きます」とのこと。そのときの感想を聞くと......、
「売り場の近くにあった地震直後の写真で、棚が倒れたり、品物が大量に落ちて割れたりするなど、大きな被害があったのを初めて知りました。
その中で生き残っているものがあることに驚き、まさに『勇者だな』と感じました」(「天然パーマと縮毛矯正」さん)
「震度6強を乗り越えた勇者たち」の中から選んだ品物は、何だったのだろう?
「二本松市にある人気(にんき)酒造株式会社の『人気一(にんきいち)モダンクラシック純米大吟醸6』(1650円)を購入しました。 味はすっきり澄んでおり、度数は多少ありますが、大変飲みやすいです。つまみとして、刺身盛り合わせ(マグロ、サーモン等)と合鴨のスモークを選びました」
投稿者「天然パーマと縮毛矯正」さんは満足気に語った。
人気酒造は2007年に設立された新しい酒蔵。1897年創業の大内酒造が前身で、長年酒造りに携わってきたプロが集まって立ち上げたという。安達太良(あだたら)山の伏流水と地元産酒米を使い、吟醸酒のみにこだわって醸している。
この酒蔵で作られているのは、精米歩合60%以下で長期の低温発酵にこだわり、木製の道具を使い、和釜で蒸す、昔ながらの手仕事で造る吟醸酒だという。華やかな香りとフルーティーな味わいが特徴だ。
次にJタウンネット記者は、2月23日、「道の駅国見 あつかしの郷」に電話で取材した。答えてくれたのは総支配人の鈴木亮さんだった。
「地震による被害は甚大でしたが、人的な被害がなかったのは不幸中の幸いでした。壁や天井の一部が崩れ落ちていて、棚に置いたビン類もほとんど落ちてしまいました。
棚から落ちずに残ったものを集め、なんとか売れそうなものだけ選んだところ、250本ほどになりましたので、外見は汚れたままですが、縁起物として、かえって喜んでもらえるかもしれないと思い、販売することにしました」(鈴木総支配人)
ツイッターにはこんな声が寄せられている。
「奴らは震度6の地震を乗り越えた者共だ 面構えが違う」
「これ飲んだら『強運』がつきそうだね」
「勇者ビールとか、縁起物として売れば付加価値ついてよさそう!」
「こういう逞しさは良いね」
「マイナスをプラスに変える発想は素晴らしい」
「勇者の表現はいいですね。みなさん不安の中、勇気をくれる。写真だけでも勇気と希望をもらいました」
ツイッターには、縁起物という付加価値に共感するなど、そのプラス思考を評価する人からの反応が多かった。
地震の被害から立ち上がろうと工夫して取り組むポジティブな姿勢が、多くの人々に好印象を与えたようだ。
鈴木支配人によると、「SNSで話題になったおかげで、既に150本ほど売れた」そうだが、100本近く残っているという。その多くは、福島県、宮城県の蔵元の地酒(4合瓶)だ。他に、地元産のワインもあるらしい。
「道の駅国見 あつかしの郷」は東北自動車道国見ICからもすぐだという。「勇者たち」の強運にあやかりたい人は、どうかお早めにどうぞ。