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甘みも、香りも、全然違う 北海道で一番うまいコメ「東川米」を知っていますか?

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2020.12.04 18:00
提供元:東川町

東川の米と水を使うために、移住を決意

旭川空港から車で約10分。忠別川にかかる橋を越えると、東川町に入る。

真っ直ぐに続く道路の両脇には広々とした田んぼが続き、その奥には山々が見える。東川町は、北海道で最も高い山・旭岳を主峰とする大雪山の麓に位置している。

米を基幹作物とする東川町は、耕地面積の約80%を水田が占めており、田植え時期には水田に張られた水が鏡のように空を反射し、また稲刈り前には一面が黄金色に染まるという。

水を張り鏡のように空を映す田植え時期の「鏡面水田」(写真提供:東川町)
水を張り鏡のように空を映す田植え時期の「鏡面水田」(写真提供:東川町)

稲が実って黄金色に染まる田(写真提供:東川町)
稲が実って黄金色に染まる田(写真提供:東川町)

この町でおむすびを作るために、隣町である旭川から移住してきた女性がいる。

町内に店を構える「玄米おむすび ちゃみせ」の店主・千葉紘子さんだ。

ちゃみせの千葉紘子さん(編集部撮影)
ちゃみせの千葉紘子さん(編集部撮影)

「甘みがあるように感じる。艶があるようにも、私は思います」

おむすびに使っている米について、千葉さんはそう語った。

ちゃみせの商品は、東川米のゆめぴりかで作ったおむすび。玄米がメインだが、白米のものもある。

千葉さんが東川でおむすびの販売を始めたのは2011年。当時は旭川に玄米おむすびの店を出しており、どこか他の場所でも販売できないか、と考えていたときに見つけたのが東川町だった。そこで、東川の水と米のおいしさに気づいたという。

実は、東川町には上水道が存在しない。ではこの町の人々がどうやって水を得ているのかというと、地下から汲み上げているのだ。

東川町の地下には、大雪山の雪解け水が地下水として流れていて、家庭ではそれをポンプで汲み上げて使う。この地下水を飲んだ千葉さんは「ここ、水がすごく美味しい」と感動し、おむすびに東川の水と、その水で育った東川米を使うようになった。

炊き込みご飯のおむすびも(編集部撮影)
炊き込みご飯のおむすびも(編集部撮影)

11年当時は東川町内の現在とは違う場所に店があり、千葉さんは毎日旭川から通っていたという。

「通いだったので、水を持って帰っていたんです。お米も東川のお米使わせていただいていて、旭川からおむすびを作って持ってきていて。正直大変でした」

いつか移住して、すべての水を東川の水でまかないたい――。そう考えるようになった千葉さんは、14年に現在の場所に店をオープンし、東川町に住み始めた。

水は当然、地下から引いたものを使っている。この水で炊いた米について、

「水が違うからか、美味しく感じます」

と千葉さん。

カゴにないおむすびは、注文すれば握ってもらえる(編集部撮影)
カゴにないおむすびは、注文すれば握ってもらえる(編集部撮影)

店内には「紅鮭」といった定番から「山わさびチーズ」といった珍しいもの、また炊き込みご飯をおむすびにした「タコ飯むすび」など10種類以上のおむすびが並ぶ。「揚げ半熟たまご」や「こうじチキン」など週末限定の商品も人気だという。

千葉さんによると、「甘くて、ご飯自体がとても美味しいので何にでも合います」とのこと。

店は朝8時から14時までの営業だが、夏場や週末にはそれ以前にご飯がなくなって閉める場合もある。町内のみならず、近隣の旭川、美瑛、富良野からも人が訪れるという。

大雪山や、雪解け水の源泉に水を汲みにいく道すがらおむすびを買っていく人も多い。また、中には札幌から来てまとめ買いしていく人もいるそうだ。

それほどまでに、東川の米と水は美味しいということだろう。

米作りの1番の武器は「きれいな水」
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