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これは確実に癒される... ホテル宿泊者への「アヒルちゃん」サービスが話題に→なぜ導入?担当者の思いを聞いた

井上 慧果

井上 慧果

2020.11.23 11:00
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「今晩泊まったホテルで、かつてないサービスを受けている」

こんな報告がツイッターで話題となっている。

「かつてないサービス」とはどんなものなのか。まずは、こちらの写真をご覧いただこう。

お風呂にアヒルちゃんがいる(画像はNAKAJI-MA@nakazeeanさん提供、編集部で一部トリミング)
お風呂にアヒルちゃんがいる(画像はNAKAJI-MA@nakazeeanさん提供、編集部で一部トリミング)

一般的なホテルのユニットバス。

そのバスタブの縁にかけられたマットの上にちょこんと乗っかっているのは、お風呂でよく見るアヒルのオモチャだ。つぶらな瞳でこちらを見ている姿が、なんとも可愛すぎる。

このアヒルと遭遇したのは、スポーツ自転車メディア「サイクルスポーツ」編集長のNAKAJI-MA(@nakazeean)さん。一連の経緯を報告した2020年11月13日のツイートには、

「当ホテルのバスルームでアヒルちゃんがお出迎えしております。
大切に育てて頂ける方はぜひ連れて帰って下さい」

とほっこりするホテルからのメッセージの写真も添えられている。

連れて帰れるらしい(画像はNAKAJI-MA@nakazeeanさん提供、編集部で一部トリミング)
連れて帰れるらしい(画像はNAKAJI-MA@nakazeeanさん提供、編集部で一部トリミング)

確かに、ホテルのバスルームでアヒルちゃんがお出迎えしてくれるなんて、なかなか経験のないことだろう。この可愛らしいサービスにツイッターでは

「これはいいサービス」
「絶対持って帰る可愛いwwww」
「疲れてホテルに帰り着き、風呂場でアヒルに遭遇したら、一気に疲れが吹き飛びそうだね」
「この心遣いが最高のサービスですね!」

といった反応が寄せられている。

なぜバスルームにアヒルがいるの?

Jタウンネットは17日、投稿者のNAKAJI-MAさんに話を聞いた。

アヒルちゃんがお出迎えしてくれたのは、調布アーバンホテル(東京都調布市)。自転車メディアに携わるNAKAJI-MAさんいわく、

「近くには味の素スタジアムや、東京五輪の自転車ロードレースがスタートする武蔵野の森公園があるとてもいい場所」

にあるという。

そんなホテルにNAKAJI-MAさんが宿泊したのは13日。バスルームにいたアヒルちゃんについて聞くと

「もちろん、ちゃんと連れて帰りました! 自分のあだ名がアヒルちゃん編集長にならないか心配です」

とのことだった。

それにしても、どうしてこのようなサービスを実施しているのだろうか。

その詳細を聞くべく、Jタウンネットは20日、調布アーバンホテルを運営するタイレル(東京都府中市)を取材した。

取材に応じたホテル事業本部の本部長によれば、このサービスは調布アーバンホテルのみでなく、同社が運営する18のホテルの全室で毎日提供されているものだそう。

このサービスを始めたのは、7年ほど前。

「私共のホテルでは、お客様のおもてなしにとても力を入れています。そのため、各種予約サイトでのお客様からの口コミも意識して見ていたのですが、その中に『浴室』という評価項目があるんですね。
実はこの項目、どんなにいいホテルでも3.1とか3.2とかそのぐらいの点数しかつかないんです。確かにホテルはユニットバスなことも多く、家のお風呂と比べてみても、なかなかご満足いただくのは難しいんです。

そこで、この殺風景なホテルのユニットバスで、どうすればお客様に喜んでもらえるのか会議で話し合いをしました。その際、とある支配人から『お風呂におもちゃのアヒルを浮かべてみては?』との提案があったんです」

当初は、「ふざけてるのか」と思われてしまうかもしれない、との不安もありながら、実験的に常連客や女性客の部屋など、ごく一部に限定的にアヒルを置いてみたという。

前の利用者の忘れ物だと勘違いされてしまわないように、と場所にもこだわった結果、バスタブのバスマットの上という位置に決まった。

「すると、利用されたお客様のアンケートで『安らぎました』『癒されました』というお声を、たくさんいただけました。しかも、特に40、50代の男性のお客様からの反響がとても大きくて。それがとても嬉しくて、こんなに多くの方に喜んでいただけるならぜひ続けようということになりました」

アヒルちゃんを連れて帰る人の割合は...

男性の利用者が全体の7割を占めるという同社のホテル。

お出迎えのアヒルちゃんは、男性客から意外にも好評で「子どもへのお土産にしています」という声や「いつも癒されています」という声が多くホテルに届いているという。

ちなみに、アヒルちゃんを「連れて帰る」利用者の割合は、半分弱。また、NAKAJI-MAさんの投稿にあったようなメッセージはすべてのホテルで出しているわけではなく、その内容についても、ホテルによって異なるとのことだった。

また、今回話題になったツイートには、

「たまに大きなアヒルちゃんがお出迎えしてくれることがある」

といった情報も寄せられていた。これは本当なのだろうか。

詳細を尋ねると、本部長は

「確かに以前、とあるホテルで従業員から提案があり、1室だけ大きなアヒルちゃんにお出迎えしてくれる、というサービスを実施していました。

しかしあくまでこのアヒルちゃんはおもてなしの一環なので、その中に『あたり』のようなものがあるのは少し違うかな、と思い、こちらは数か月限定の企画となりました」

としていた。

今回、「アヒルちゃんのお出迎えサービス」がツイッターで話題となったことについて、本部長は

「ずっと続けていることですので、ホテルのアンケートだけでなくツイッターでも話題にしていただけて、とても嬉しいです。お客様にきちんと届いているのだな、と実感することができて社員一同、大変喜んでおります。

当ホテルでは、大人になると忘れてしまいがちなクリスマスや七夕など季節の節目のイベントなどもとても大切にしています。このアヒルについても、子どもの頃に遊んでいたときの気持ちをふと思い出して、一瞬でもやすらぎを感じていただければ幸いです」

とコメントした。

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