観光も防災も、あなたの生活も変わるかも? ひろしまサンドボックスが「データ連携」プロジェクトで目指す未来
2020.10.13 16:30
提供元:広島県
避難誘導、県をまたぐ旅行にも...
現在は実証実験のデータのみだが、将来的には一般企業や行政が今まで公開してこなかったデータを連携基盤上に掲載できる可能性も十分ある。少し気が早いが、その場合はどのような活用法が期待できるか東谷さんに聞いてみた。
ソフトバンクが挙げるデータ連携基盤の活用例のうち、東谷さんが最も活用してほしいと思っているのが「防災・減災」だ。データ連携基盤に電力使用量のデータが格納される時代がくれば、避難に躊躇している家庭を割り出すことが可能になり、行政側もよりスムーズな避難誘導ができるという。
「例えば、自宅の電力使用量のデータを可視化し、在宅している方がリアルタイムで分かるようになれば、避難勧告や避難指示が出された時に、重点的に避難を誘導できるのではないでしょうか。現状だと1件1件ドアをノックして『避難されていますか』と呼びかけているので」(ソフトバンク・東谷さん)
また、ソフトバンクは広島以外の自治体でもデータ連携基盤の構築を提案している。実装例が増えれば、他の都市とのデータ連携も可能になるかもしれない。
「例えば、東京から鎌倉、そのあと富士山に行くという県をまたぐ旅行。そのルートの中でお土産物を買った時に自動的に次の宿泊地のホテルに届くようなサービスを、基盤同士を連携させることで提供できるかと。特に富裕層の外国人観光客からは、そういうサービスがありがたいとお話されるケースが多いです」
冒頭のサイクリングの話を覚えているだろうか。広島・尾道と愛媛・今治をつなぐ「瀬戸内しまなみ海道」は、まさにサイクリングの聖地。自転車の登録データと宿泊先のデータを活用することで、サイクリング中に買ったお土産を宿泊先に届けることができるサービスが生まれれば、道中お土産を諦めることなく、サイクリングを楽しめるというわけだ。
――少々飛躍してしまったが、それだけデータ連携基盤の可能性は広がっているということ。今後の展開に期待だ。
<企画編集:Jタウンネット>