「買うと幸せになる自販機」で水を買って飲んでみた
「ブラピが飲んだ天然水」(10万円)
現場を訪れた筆者。「買うと幸せになる自動販売機」は、東武鉄道・小村井駅から10分ほど歩いた場所にあった。
先にタネ明かしをしておくと、この自販機は、現代アート作家の佐俣和木(さまた かずき)さんによる作品「Just a water ~買うと幸せになる自動販売機~」だ(Just a water...)。
長屋文化の残る墨田区の東向島・京島エリアでは9月22日から、アートプロジェクト「すみだ向島 EXPO 2020」が開催されている。佐俣さんの作品は、無料で鑑賞できる「軒下プロジェクト」に属し、その名の通り軒下に設置されている。
一見すると普通の自販機。しかし並んでいるのは、ちょっと名前がおかしい「天然水」たちだ。
天然水は、数えたところ全部で24種。その一部を筆者の感想とともに紹介しよう。
「300ミリリットルもある天然水」(30円)
「300ミリリットルしかない天然水」(300円)
言い方変えただけで、なんで10倍?
「海水浴を楽しんだ天然水」(9000円)
どういうこと?
「野宿の天然水」(30円)
「アウトドアな天然水」(1万5000円)
野宿もアウトドアなのに...野宿かわいそう。
「ブラピが飲んだ天然水」(10万円)
価格はアレだが、ちょっと飲みたい。
「左の天然水を買った人はこの天然水もよく買っています。」(8900円)
通販でよく見るやつ...。(左はブラピ)
※商品下のコメントは筆者の個人的な感想です
商品価格は30円~10万円。2000円以上のものはオンラインでの販売となっているため、その場で現金がなくても購入できるというわけだ。
どの天然水を買おうか...土曜の17時前ということもあってか、いくつかの商品は売り切れている。オンライン購入という手もあるが、せっかくなのでここで買いたい(お金を惜しんでいるわけではない)。
筆者が選んだのは「人気No.1の天然水」(700円)。すると700円の水を買っている筆者が面白かったのか、現場に同行していた筆者の友人も、なぜか「300ミリリットルしかない天然水」(300円)を購入していた。
さっそく「人気No.1の天然水」を飲む筆者。...うん。おいしい。疲れてしまった体に清らかな水が染み渡る。人気があるのもわかる気がする...かも。
そして友人は「300ミリリットルしかない天然水」を口に。
「...うん...」
特にコメントはなかったが、言わんとしていることは分かる。きっとJust a waterなのだろう。
「中身は違ったりするのかな?」そう話しながらペットボトルの裏面を見た筆者と友人。 そこには成分がしっかり表示されていたが......。
ボトルの中の天然水はそれぞれ違うのか、それとも同じなのか。気になる人は実際に購入して確かめてみてほしい。
肝心なのは、「買うと幸せになる自動販売機」で水を購入することで、幸せになれるかどうかだ。
実際に買ってみて幸せになれたか...筆者としては正直分からないが、友人と水1つで盛り上がることができたと思えば、悪くないのかもしれない。友人もきっとそう思ってくれているはずだ(たぶん)。
Jタウンネットは9月18日、メールを通してすみだEXPO実行委員会を取材。「買うと幸せになる自販機」がツイッターで話題になっていることについて、軒下プロジェクトの企画者で美術家の開発好明(かいはつ よしあき)さんは、
「ネット上で話題になることで、路地の軒下の作品を見に来て頂けたら嬉しいです。作品はその場に行って見て感じて初めて個々の経験となります。SNS をきっかけに是非展覧会にお越し下さい」
とコメントした。
「すみだ向島 EXPO 2020」の開催は10月11日まで。自販機はその間、設置されている。