発表!物価が安いと感じる街ランキング 3位「東十条」、2位「小台」、1位は...?
新しい街への引っ越しを考えるとき、あなたが重視するのは何だろうか。
やっぱり、職場や学校へのアクセス?それとも、街の治安や利便性? もちろん色々な要素があるだろうが、「物価」を気にするという人も少なくないのではないか。できれば、日々の生活コストを抑えたい――そう考えるのは、ごく当たり前のことだろう。
そんな街の物価に関する調査結果を、賃貸情報サイト「SUUMO」を運営するリクルート住まいカンパニー(東京都港区)が発表した。その名も「物価が安いと感じる街ランキング」だ。
調査ではまず、それぞれの街の住民に「住み心地」に関するアンケートを実施。その中で「物価が安い」という評価が多かった地域を、ランキング形式でまとめたという。対象エリアは、東京・神奈川・千葉・埼玉・茨城の1都4県だ。
さっそく、結果をご覧いただこう。
図表を見ての通り、1位は十条(東京都北区)。アンケートの回答結果をもとに同社が算出した偏差値では、90.77という数字を叩き出している。戦前から続く「十条銀座商店街」を筆頭に、地元に密着した個人店が多いことも結果に影響したかもしれない。
2位は小台(東京都荒川区)、3位はトップの十条から徒歩圏内に位置する東十条(東京都北区)だった。5位の八街(やちまた=千葉県八街市)を除き、北区・荒川区・足立区といわゆる東京の下町エリアが上位を独占しているのが印象的だ。
11位以下の結果は...?
このランキングは、リクルート住まいカンパニーが2020年7月20日に発表したもの。同社が3月に公開した「住民に愛されている街ランキング2020」の調査内容を、改めて集計・分析して作成したものだという。
調査は1月にウェブ上で実施され、4万3547人から有効回答を得た。ランキングの集計対象となったのは、乗降者数や夜間人口などを基準に選出した駅のうち、調査で一定以上の有効回答を得た1066駅だ。
30位までの結果を見ても、やはりトップ10と同様に、東京の下町エリアの街の多さが目を引く。とくに東東京エリアの足立区・荒川区・江東区が強さを見せていて、30位までにあわせて17駅がランクインしている。
筆者も東東京エリア(江戸川区)に5年ほど住んでいたことがあるが、新宿など都心へのアクセスが優れている割に、家賃などの物価は全体的に抑えめといった印象が強い。そういった特徴もあって、「物価が安い」と感じる住民が多いとも考えられそうだ。
ちなみに、東京以外では唯一トップ10に入った八街とはどんな街なのだろう。
八街は千葉市の隣に位置していて、東京までは特急利用で片道約1時間。いわゆるベッドタウンといえるだろう。同社の調査によれば、土地・物件価格が安価なことが特徴で、駅前の駐車場も1日最大300円という価格だそうだ。
今回のランキングについて、「SUUMO」の池本洋一編集長は、次のようなコメントを発表している。
「このランキングは実際に住んでいる人々に聞いたリアルな情報によるものです。1位となった十条駅前の『十条銀座商店街』には3代、4代と続く長い歴史を持つ店舗が多く、青果店や生鮮食品など生活のための店舗が並んでいます。
住民と店員が顔なじみなことも多く、できるだけ住民に良いものを安く提供したいという思いをもったお店も多いようです。各店が切磋琢磨することで街自体にも活気があふれているのではないでしょうか」