未知の生物「ザリガニヒヨコキンギョ」爆誕 飼育員への質問に対するユニークすぎる回答がこちら
動物園や水族館に時々設けられている、「飼育員への質問シート」。来園者や来館者が指定の紙に質問したいことを書いて設置されたポスト等に投函すると、飼育員が答えてくれるというものだ。
コアラやワラビーなどを飼育する「淡路ファームパーク イングランドの丘」(兵庫県南あわじ市)も、そんな取り組みをしている施設の一つ。ある来園者から寄せられた質問に対する回答を公式ツイッターで紹介し、注目を集めている。
「生き物の『なぜ?』に飼育員が答えます!」という用紙に書き込まれた質問内容は、「ざりがに」「ひよこ」「きんぎょ」。まさかの単語(しかも3つ)だが、飼育員は何と回答したのだろうか。
質問と並べて貼り出された答えが、こちらだ。
ヒヨコの体にザリガニのはさみ、そしてお尻には金魚の尾ひれ...3種の生き物を合体させた、世にも奇妙な生物ができあがってしまっている。絵の下部には「ザリガニヒヨコキンギョ」と小さく書かれており、「要求は満たした」と言わんばかり。とても上手に描かれているが、何とも言えないシュールさを感じる。
この画像はイングランドの丘の公式ツイッターが2020年8月16日に投稿。他の質問・回答とともに、
「園で飼育していない生き物のことでも知ってる範囲ならできるだけお答えしていきたいと思います。お子様に寄り添った飼育員でいたいです」
「ただ、時々答え方を間違えます」
と2回に分けてツイートしている。ザリガニヒヨコキンギョは、「時々答え方を間違えます」の方に添えられていた。この投稿は17日19時時点で1万6000件以上のいいねが付き、反響を呼んでいる。
専門外も「できる範囲でお答えしたい」
ザリガニヒヨコキンギョのイラストに対して、ツイッターでは、
「絵のクオリティww」
「これが成長した姿を見てみたい」
「水陸両用で強そう」
「これは間違ってないと思います むしろ大正解では?」
といった声が寄せられる。絵が上手いこともあってか、概ね好評だ。
併せて投稿された質問も、「なりたい うるとらまん ええす」(意訳:ウルトラマンエースになりたい)や「なんできょうりゅうにはは(歯)があるんだろう」と、おそらくはいずれも飼育員の専門外。普通なら困ってしまうところだが、イングランドの丘の飼育員はどの質問にも優しく回答している。
いったいこの飼育員は何者なのか。Jタウンネットは8月17日、イングランドの丘の動物スタッフ・後藤敦さんに話を聞いた。
後藤さんによれば、これらの質問・回答が掲示されているのはパーク内にあるコアラ館の通路。質問には、主に後藤さんが答えているという。
「自由研究など、夏休みの宿題に役立てるような企画ができないかなと思い始めました。飼育員の得意分野を生かして、特にお子さんからの疑問にお答えできたらと思います」
質問コーナーを始めた理由について、このように話す後藤さん。昨年から夏休み企画として実施、好評だったため今年も継続した。
今年は7月から質問の募集を始め、8月には回答を掲示。現時点で100件ほどの質問が集まり、20件ほどに回答している。投稿されていたように動物とは関係ない質問もあるが、後藤さんは「できる範囲でお答えしたいです」と話す。
回答に添える絵を描いているのも彼だという。とても素人には見えない画力だが、普段から絵を描くことは多いのだろうか。後藤さんに聞いてみると、「子供の時はよく描いていましたが、普段はそんなに描かないです」とのことだった。
ではなぜ回答に絵を描いているのか...。後藤さんに聞くと、
「文章だけで掲示してもあまり目に入ってこず、長時間留まって読んでいただけないです。何か目を引くものがあればと思い、描いてみました。やはり描かれている方が読んでいただいているみたいです」
と説明。話題になった「ザリガニヒヨコキンギョ」については、「去年も同じように(生き物同士を)合体させて描いていました。そうしたら撮影して投稿している人がいたので今年も描きました」としている。
ちなみに後藤さんはツイッターも担当。今回の投稿が話題になったことについては、
「これをきっかけに園のことを知っていただけたら嬉しいです」
としている。