「橋」の英訳がバラバラすぎる標識が話題 なぜ3パターンも?その理由を調べてみた
「二重橋ブリッジ」間違いではなかった
英語表記が異なる「橋」だらけの標識は、ツイッターユーザーのhito_horobe(@hito_horobe)さんの2020年7月27日の投稿がきっかけで話題になった。
なぜ、英語表記に違いがあるのか。案内標識の英語表記を決める際に基準として使われている「地名等の英語表記規定」(2016年3月、国土地理院)で調べてみた。
まず、「〇〇 bashi」表記の新橋と飯田橋。それぞれ港区新橋、千代田区飯田橋という地名(固有名詞)なので、Bridgeではなくそのまま「Shinbashi」 、「Iidabashi」と表記される。
これについては、「地名等の英語表記規定」で、「大字及び字は表音のローマ字のみを表記するもの」と定められている。※大字(おおあざ)、字(あざ)はともに、市区町村内の区画名を指す。
続いて、「〇〇 Bridge」表記の永代橋と神田橋。こちらは地名ではなく、川にかかる橋の名前なので、神田橋が「Kanda Bridge」、永代橋が「Eitai Bridge」となる。
こちらについても、「地名等の英語表記規定」の中に、「橋名の英語表記は、置換方式によるものとする」という項目が。そこには「『橋』又は『ブリッジ』は Bridge と表記する」と明記されている。
では、最も気になる「二重橋(Nijubashi Bridge)」は?
こちらは、同規定の「居住地名や駅名、観光名所として名称全体が一体化しているもの」にあたる。二重橋をローマ字表記にしたうえでBridgeも付ける「追加方式」と呼ばれる方法だ。
これは、同様の例に当てはまる「日本橋」(地名ではなく、橋の方)で考えるとわかりやすい。
つまり、日本橋を「Nihon Bridge」と表記しないのと同様に、二重橋もNiju Bridgeではなく「Nijubashi Bridge」と表記するということだ。
このように、「橋」の表記がバラバラになっているのは、決して間違いではないのだ。