終電を寝過ごしたら...まさかの「ぴえん駅」到着? リアルすぎる「ネタ駅名標」に騙される人続出
泣きたい様子を表す若者言葉「ぴえん」。
目をウルウルさせた顔文字とともに使われることが多く、「2020年上半期インスタ流行語大賞」流行語部門の1位にも選ばれた。今や1度も聞いたことがない、という人は少ないだろう。
そんな中、ツイッターではまさに「ぴえん」な結果となってしまった、あるユーザーの投稿が話題となっている。
「やば 終電寝過ごして文字通りぴえんなんだが」
終電なのに目的地を寝過ごしてしまった――それだけでも十分「ぴえん」な状況だが、投稿者がたどり着いたのは、なんと、「ぴえん(比園)」駅だという。偶然にもほどがある。というか、こんな駅本当にあるのだろうか...。
実はこの駅名標はフェイク。投稿者の@fukutokaさんが作った架空の駅だ。駅名標をよく見ると、前後の駅が「ぱおん」「さげみざわ」となっており、どちらも若者言葉。「ぱおん」はぴえんの派生形で、より強い感情を表す言葉だ。「さげみざわ」はテンションが下がった時などに使われる。
実際にこんな駅があったら、ぴえんどころか「あげみざわ」だ。
この投稿に対しては、
「ぴえん駅通り越したらぱおん駅なのしっかりこだわってて好き」
「『やばたにえん』って駅も存在しますか?」
「ほんまにあったら嬉しかった......」
といった声が寄せられている。
また、あまりのクオリティに、
「比園(ぴえん)駅なんてあるんだ」
「ぴえん駅の存在にびっくりしすぎた」
「ぴえん駅は実在すると勘違いしてガチで調べてしまったw」
など、この駅名標を本物だと信じてしまったユーザーも複数みられた。
北海道の駅「比布」「桑園」をもとに制作
それにしても、なぜ架空の駅名標を作ったのか。Jタウンネットは2020年7月13日、投稿者の@fukutokaさんに詳しい話を聞いた。
@fukutokaさんは関西に住む20代の会社員。自身で撮影した電車の写真をもとに、「ウソ電」と呼ばれる電車の色や形を変えた架空の電車を作ることが趣味だという。
今回作った「ぴえん駅」は画像処理ソフト「GIMP」を使い、5年前の旅行の際に撮ったJR札幌駅の駅名標をもとに制作。ぴえん駅にした理由を聞くと、
「北海道に『比布(ぴっぷ)』や『桑園(そうえん)』という駅名があるので、ふと『比園(ぴえん)』があってもおかしくないのではと思いました。最近では『ぴえん超えてぱおん』というスラングも聞いたことがあったので、『ぴえん駅を通り過ぎてぱおん駅』という解釈も込めて『ぱおん』も駅名に入れました」
どうやら比園(ぴえん)の漢字表記は実在する駅名「比布」と「桑園」からきているらしい。ぱおんについても納得の理由だが、「さげみざわ」はなぜ採用されたのか。
@fukutokaさんは、その理由について、
「画像を作るにあたってもう一つ駅名を入れる必要があったのですが、こちらも同じ北海道に『岩見沢』という駅名があるのと、テンションが上がる様子でよく使われている『あげみざわ』をもじって『さげみざわ』が適当かなと思いました」
と回答。こちらも「ぴえん」と同じく、北海道にある駅名をもとにしていた。
架空の駅名標は普段あまり作らないという@fukutokaさん。投稿が話題になったことについて、
「この画像から派生させて、ぴえん駅周辺の地図を作った方や、都市について空想している方ツイートをみかけました。ツイッターは10年ほど使っていますが、今までこれほどいいねやリツイートなど反響をいただいたことがなかったので、非常に驚いています」
としている。