神保町「キッチン南海」が閉店、54年の歴史に幕 あのカツカレーはどうなる?料理長に聞くと...
本店は閉店、しかし...
中條さんによれば、本店の閉店自体は今年の初めに決まっていた。
「昔から来ている常連客が心配」という理由から神保町で店を探し、3月に新店舗の場所を決定。6月2日頃に閉店のお知らせを掲示した。新型コロナウイルスの影響で、掲示が遅くなってしまったという。
本店のコックは中條さん含めて2人。7月中にオープン予定の新しい店舗でも、続投するという。
「僕はここで30数年働いて、変わらない味を守り続けているので、味は変わらない自信があります。あの掲示だけじゃ僕が移ることが分からないので、お客さんに『やめられちゃうんですよね』と聞かれることもありますが...僕が料理長なので味は大丈夫だと思います」
中條さんによれば、この店は今も現役で働く南山茂さん(90)が創業。建物の老朽化に伴う契約期間終了のため、こちらの店はたたみ、新しく開業する店は中條さんの独立店になる。
中條さんは南山さんの甥であり、中学生くらいから店の手伝いに訪れていた。中條さんにとって、ここのカレーは「家のカレー」。20年ほど前に料理長となり、同じ味を守り続けてきた。
「開店当初から来ている、当時学生だったお客さんが今は老紳士だったりしますが、『変わらない味でホッとする』と言ってくれます。それが一番嬉しいですね」
「本店で修行して独立するのは僕が最後」と話す、中條さん。新店舗の開業に向けて意気込みを聞くと、
「変わらない味を守り続けていきたいです。絶対に味は変えない、働き始めたころからそう思っています。ここに来ているお客さんは、それが一番心配だと思うので」
としている。
(Jタウンネット編集部 笹木萌)