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「アスファルトに咲く花」別に強くない説が浮上 実はヌルい環境って本当?専門家に聞いてみた

笹木 萌

笹木 萌

2020.05.17 08:00
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「意外と恵まれています」

木村さんは1974年に大阪自然環境保全協会でタンポポ調査を始め、半世紀近くにわたって継続してきた。アスファルトに咲くタンポポも当然たくさん見ているという。

「タンポポは一般的に背が高くならないので、人が踏みつけて他の背の高い植物が折れてしまうような場所にしか生えないです。

そういう意味では、アスファルトの隙間は他種との競争がないわけです。タンポポは多年草なので、一度そこで芽生えたら10年20年と定着しています」(木村さん)

タンポポの葉は根元から生えているため、背の高い野草に日光を遮られやすい。アスファルトの隙間ではそれがないため、ひっそりと生き続けることができるのだ。

さらに木村さんはこう続ける。

「環境条件としては意外と恵まれています。夏の乾燥が植物には大きなダメージなのですが、アスファルトの下は常に濡れた状態で水があまり蒸発しません」

一般的に植物は土が乾燥すると根が乾いて枯れてしまう。アスファルトはそれを防いでくれるばかりか、冬は葉っぱの温度を保ち光合成を促してくれるという。

どうやら、タンポポだけでなく、ほかの植物にとっても、私たちがイメージするほど厳しい環境ではないようだ。というか、なんだか快適そうですらある。これには「TOMMOROW」もびっくりだろう。

つまりアスファルトの隙間はタンポポにとってどういう環境なのか...?

改めて聞いてみたところ、木村さんも「一般の人が思うほど劣悪な環境ではない」としていた。

関東で主流のセイヨウタンポポは4月中旬~下旬がピークだが、1年を通して見られるとのこと。道端のタンポポを見かけた時は思い出してほしい。

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