「あなたは香川県民ですか?」→YESと答えると... ゲームサイトの「条例対策」が皮肉効いてる
香川県民も今まで通り遊べます
この注意書きが掲載されたのは、「どどんとふ公式鯖」というウェブサイト。TRPG(テーブルトーク・ロールプレイングゲーム)をオンライン上で遊べるサービスを提供している。
TRPGとは、本来は対面で実施されるゲーム。2~6人程度で遊ぶもので、1人は進行役、他の人たちは登場人物として物語を作っていく。一回のプレイにつきかかる時間はまちまちだが、数時間かけて遊ぶものも多い。
「香川県ネット・ゲーム依存症対策条例」では、
「子どものネット・ゲーム依存症につながるようなコンピュータゲームの利用に当たっては、1日あたりの利用時間が60分まで(学校の休業日にあたっては、90分まで)の時間を上限とすること(中略)を目安とする」
とあるため、このウェブサイトの対応については「1時間じゃTRPGできないからねぇ」と理解を示すような声も上がっていた
。サイトの管理者に注意書きを掲載した理由を尋ねると、
「条例そのものの問題やそれが可決されるまでのプロセスに大きな問題があると感じ、この条例の異常さ広く知ってもらうための問題提起としてこのような対応をいたしました。 実際には香川県の方も「知ったこっちゃない」を選択すれば今までと何も変わらず利用できますので、排斥するような意図はありません」
「あくまで(条例について)広く知って頂くという事と、条例を根拠にした訴訟やクレームに対して事前通告しているという事実を用意しただけですので、(香川県民でも)もちろん利用いただいて構いません」
とのこと。管理者によると、「どとんとふ公式鯖」は不特定多数のユーザーが登録なしで利用できるサイトで、一切の個人情報を収集していない。そのため、「利用者が香川県からの利用なのかどうか、未成年かどうか、依存症なのかどうかをチェックする手段を持たない」。
つまり、香川県に住む未成年がサイトにアクセスしても、管理者はそれを把握できないため、「そんな条例知ったこっちゃない」を選べばこれまで通りサービスを利用できる。
ちなみに、注意書きが掲載された当初は「利用しません」のリンクは別のウェブサイトにつながっていた。
「リリース当初は香川県民を選択すると『丸亀製麺』さんのサイトに飛ばすという皮肉をしていましたが、実際に抗議活動をしている香川県民の方からの抗議があったことや、丸亀製麺さんに迷惑をかけてしまうのも本意ではないので、単純に戻るだけにすぐに変更いたしました。これはちょっと悪ふざけがすぎたと思っています」
と管理者。丸亀製麺は讃岐うどんの店だが、兵庫県発祥。香川県民の中には、快く思わない人も多いと聞く。香川県民だと認めたら「丸亀製麺」に飛ばされる、というのはかなりの屈辱だろう。