吸う人も吸わない人も快適な空間に 近鉄の新型特急「ひのとり」に喫煙室が導入された理由
喫煙ルーム最高だった
左手には「The Peace」。右手にはカップコーヒー。喫煙ルームで気のゆくままにタバコを吸った。大人3人程度が入ることが出来るスペースである。少し狭い気もしたが、流石ひのとりといったところだろうか。窓がめちゃくちゃ大きいのだ。外の景色が狭さを感じさせない。
筆者は身長が約175センチだが、膝くらいまで窓。気持ちが良かった。
喫煙ルームで居合わせた男性も、気持ち良さそうにタバコを吸っていた。男性が2本目を吸い始めたので、話しかけてみた。大阪から名古屋まで乗車するという男性は、喫煙車両にもよく乗っていたと話す。どちらが心地いいか聞いてみると...。
「喫煙車両がなくなってしまったことは悲しいけれど、喫煙ルームも悪くないね。ちょっと狭いけど、その分タバコの煙をよく吸ってくれるし」
どちらも甲乙つけがたいといったところか。男性はそのまま喫煙ルームを後にした。
確かに喫煙ルームはスペースが小さい反面、煙をよく吸ってくれるのだ。天井の換気扇に手を近づけると、ゴーゴーと音を立てていた。
一度喫煙ルームを出て、再度入りなおすと喫煙車両よりタバコの匂いはしなかった。ちょっと一息つくには最高のスペースである。
4月1日から、改正健康増進法が施行される。筆者の自宅近くの喫茶店やファミレス、居酒屋、パチンコ店も喫煙ルームが増えてきた気がする。今後は、座ってタバコを吸う機会が減るだろう。「残念...」と思うがタバコを吸わない人がいることも事実だ。
これからの時代は、「分煙」を意識した取り組みによって、双方が気持ちよく過ごせる空間づくりが進んでいくことを願いたい。