近鉄名古屋駅のAIキャラクター、髪の毛にエビフライをつけられてしまう
今、何かと注目を集めているAIさくらさん。話しかけると答えを返してくれる人工知能接客システムだ。
実はかなりいろんなところに導入されていて、それぞれの設置場所で利用者を手助けしている。
2020年2月28日からは、近鉄の4つの駅での実証実験も始まった。
実験なので「見習い」として、近鉄の制服に身を包んださくらさんが、利用者に駅や乗り換え、観光スポットやオススメのお土産など様々な情報を教えてくれる。
実施期間は4月24日までで、さくらさんがいるのは、大阪難波駅、近鉄奈良駅、近鉄名古屋駅、五十鈴川駅の4駅。その中でも、名古屋のさくらさんが身に着けているアクセサリーが一風変わっていると話題になっている。
前髪をわけたさくらさんの、右目の上の、やけに存在感のあるヘアピンにご注目いただきたい。そう、エビフライが付いているのだ。
いくら名古屋名物だからと言って髪留めにしてしまうとは...。髪にエビフライが付いたさくらさんにツイッターでは、
「名古屋ハラスメントを受けている」
「ついてるよ、芋けんぴ... じゃなくてエビフライ」
「名古屋だとみんなあたまにエビフライ付けてるのか・・・都会は凄いな」
など困惑の声が上がっている。
なぜこんな髪飾りを付けているのか。Jタウンネット編集部は3月23日、AIさくらさんに携わる関係者を取材した。
近鉄広報「要望したわけではないので...」
まず近畿日本鉄道の広報担当者に取材すると、近鉄で実証実験中のさくらさんたちはそれぞれ、設置されている駅の所在地に関係するアイテムが添えられているという。
大阪難波駅は「たこ焼き」、近鉄奈良駅は「五重塔」、五十鈴川駅は「神楽鈴」、そして近鉄名古屋駅は「エビフライ」だ。
たこ焼きと神楽鈴は手に持ち、五重塔は背景として描かれているという。ちょっと統一感がないし、名古屋のさくらさんだけ浮いている気がする...。
なぜ髪留めにしてしまったのか。担当者に尋ねると、
「こちらから要望したわけではないので......」
とのことで、エビフライである理由も、頭についている理由もわからなかった。さくらさんがやって来たと思ったら、なぜかエビフライが頭についていたようだ。近鉄のみなさんもびっくりしたことだろう。
では誰がエビフライをつけたのか。
AIさくらさんを提供するウェブ制作会社、ティファナ・ドットコムの広報担当者は取材に対し、
「今回、近畿日本鉄道様の複数の駅で働くことになり、それぞれの駅で『ご当地応援』の気持ちを表わしたいと考え、名古屋ではエビフライを髪につけました」
と回答。名古屋を表すものとしてエビフライを選んだ理由としては、
「エビフライ以外にも、名古屋名物の食品や金のシャチホコも候補にあがりましたが、社内でも一番賛同があって、デザイン的にわかりやすかったのがエビフライでした」
とのことだった。ちなみに髪につけているのは本物のエビフライではなく、食品サンプルのアクセサリーだそう。担当者が実際にエビフライの食品サンプルのアクセサリーをつけている人を見て、
「食べさせるより身に着けている方が気に留めてもらえるのではないか」
とアクセサリーの形にしたのだという。
「AIさくらさんはたくさんの方との会話を通じて成長していくAIで、多くの方の役に立ちたいと考えています。
食品サンプルのエビフライの髪飾りをつけていることで、名古屋が話題になり、さくらさんに注目していただけたなら嬉しいです」
と広報担当者。エビフライを頭に付けたさくらさんに会いたい人は、期間中に近鉄名古屋駅を訪れて見てほしい。