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まるで要塞みたい... 1500枚の瓦を組み合わせて作ったバスの待合室がすごい

笹木 萌

笹木 萌

2020.03.12 11:00
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ツイッターで話題になっているハッシュタグ「#しれっとすごいことを言う見た人もやる」。2020年3月6日ごろから話題になったもので、その多くが投稿者がこれまでにやった「すごいこと」をアピールする内容だ。

そんな中でも注目を集めているのが、新潟県に古くから伝わる「安田瓦」を製造する丸三安田瓦工業(阿賀野市)の投稿。その写真がこちらだ。

瓦の待合室(画像は丸三安田瓦工業提供)
瓦の待合室(画像は丸三安田瓦工業提供)

屋根だけでなく、壁面も瓦で埋め尽くされた建物。窓部分には、厄除けとして屋根に置かれる「鬼瓦」の置物がちょこんと載っている。どっしりと重厚感があり、まるで要塞のようだが、なんとバス停の待合室として使われているという。

こちらの投稿に対し、ツイッターでは、

「凄い!!!めっちゃ強そう!!!」
「グラデーションのような色合いが美しい!」
「初めて行った時はすごいもの作ったなぁと感心してしまいました」

といった声が寄せられている。

雨よけ・風よけとして建設

Jタウンネットは11日、丸三安田瓦工業のツイッター担当者を通じて、待合室の発案者である遠藤秋子副社長に話を聞いた。

事の発端は2004年、丸三安田瓦工業のある旧・安田町を含む4町村が合併し、阿賀野市が誕生したこと。同年に市営バスが運行を開始、会社前にはバス停「庵地小路(丸三安田瓦工業前)」ができた。

待合室は06年から建設を開始。桟木にステンレス釘で瓦を一枚一枚とめていく「ガイドライン工法」(屋根瓦を葺く方法)を用いている。作業は1年以上かけて社員の手があいている時に行い、08年に完成。約1500枚の瓦を使用している。

遠藤副社長は待合室を提案した理由について、

「バス待ちをしている人が雨よけ・風よけとしてご利用いただけるよう、地元の皆様への感謝の意味で作りました。安田は五頭連峰から吹き降ろす風により、強風が吹く地域でもあります」

としている。

旧・安田町では江戸時代末期より安田瓦を製造。光沢のある銀鼠色が特徴で、鉄色瓦とも呼ばれている。耐久性・防水性に優れる雪国に適した瓦だ。

遠藤副社長によれば、瓦製造会社は徐々に減少、現在では窯元と呼ばれる安田瓦の製造会社は2社のみとなっている。

遠藤副社長は瓦の待合室が話題になったことについて、

「瓦のバス停での『まちおこし』が話題となり、嬉しく思います。安田瓦の本場らしく瓦をふんだんに使用していますので、ここをご覧いただくことで安田瓦の良さや可能性を知ってもらい、瓦を使用した街並みがもっと広がってほしいと思います」

と話している。

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