関東人は知らない? 広島県民が愛する謎のふりかけ「旅行の友」とは
みなさんの食卓にはどのような「ふりかけ」があるだろうか。筆者の実家では全国的にも有名な「のりたま」(丸美屋)や「ゆかり」(三島食品)が常にあったイメージだが、地域によってはこれに違いが現れるという。
2020年1月22日頃からツイッターで注目を集めているのが「旅行の友」(田中食品)というふりかけ。これが広島特有のふりかけだという投稿をあるユーザーがしたところ、
「東京にも売ってます!!自分はこのふりかけをカバンの中にいつもしまってます笑」
「長崎でも普通にスーパーなどで売っています」
「名古屋にも売っとるよ~流石に大袋のは見たことないけど」
「茨城ですが近所のトライアルにありますよ」
といった声が寄せられている。例の投稿に反して、意外にも広範囲で売っているようだ。
これはもしやローカルなふりかけではないのか?
ツイッターを見る限り全国で売っているように思われるふりかけだが、富山出身の筆者はこれを見たことがない。神奈川・千葉・兵庫出身の編集部員3人にも聞いてみたが、いずれも「知らない」という。いったいどういうことなのか...。
Jタウンネットは2月5日、田中食品に詳しい話を聞いた。
「中国・四国・九州のウェイトが高い」
田中食品(広島市)が製造・販売を手掛ける旅行の友は、広島市によって「ザ・広島ブランド」に認定されている。
公式サイトによると、「旅行の友」という名前は「旅のお供になるように」という願いと、創業者である田中保太郎さんの妻・トモさんの名前から付けられているのことだ。
田中食品の担当者によれば、旅行の友は「持ち運びが良く日持ちする保存食を作って欲しい」という軍からの要望を受け、1916年に発売。小魚を主原料にし、一般的なふりかけよりも多くのカルシウム(100グラム中1600ミリグラム)が含まれているという。
現在は47都道府県で販売。しかし置かれている店舗は関西以西が多いといい、担当者は、
「(導入率は)やはり中国・四国・九州のウェイトが高いです。はっきりとした記録はございませんが、昔は漬物とふりかけを業者間で物々交換していたそうですので、発売から時間を置かず各地で販売されていたと思います」
としている。
なるほど、全国販売とはいえ知らない人がいるのはそういうことだったのか。試しに中国地方出身の社員に「実家に旅行の友ありましたか」と聞いてみると、
「あったよ。ふりかけの中で一番好き。全国で売ってるもんだと思ってた」(広島出身T、30代)
「おばあちゃん家にありました!懐かしい」(島根出身K、20代)
「実家にはなかったけど、スーパーで見た気がします」(岡山出身N、20代)
とのこと。やはり広島を中心とした中国地方での知名度はあるようだ。
100年以上にわたり各家庭の食卓を彩ってきた旅行の友。担当者は今回話題になったことについて、
「関心を持って頂けるということは、本当にありがたいことと感謝致しております。昔から懐かしいだけでなく、健康に良い、ということも永く続いている所以ではないかと思っております」
発売当時から比べると、中に入っている具材が増え、味付けも少しずつ変化しているとのこと。スーパーに立ち寄った際は探してみようと思う。