ココからあなたの
都道府県を選択!
全国
猛者
自販機
家族
グルメ
あの時はありがとう
旅先いい話

北海道では「焼香台が回ってくる」って本当? 地元のお坊さんに聞いた

笹木 萌

笹木 萌

2020.02.09 08:00
0

高齢化が影響?

Jタウンネットは2月5日、筒井さんに詳しい話を聞いた。

なんかハイテク(画像は筒井章順さん提供)
なんかハイテク(画像は筒井章順さん提供)

キャスター付きを使うタイミングについて、筒井さんは会場の規模とそこにいる人数が大きく関係しているのではと話す。

「小さな会場に人がたくさんいると、動くのも大変なので回すのでしょう。逆に広い会場で大人数だと、時間もかかるしスペースもあるのでたくさん焼香台があって、前に出てお焼香することが多いです」

筒井さんはキャスター付きのメリットとして、移動しなくて済むこと、高齢者も楽であること、焼香の時間を気にせず進行できること、喪主も毎回頭を下げなくていいから楽であること――をあげている。逆にデメリットは、遺族からすると参列者が後ろにいるため、式が終わるまで誰が来ているのか分からない可能性があることだという。

しかし一体なぜ、キャスター付きの回し焼香がメジャーな地域とそうでない地域があるのだろうか。そもそもこれは地域性の問題なのか...。それとも信仰している宗派の違いだったりするのだろうか。筒井さんに聞いてみると、

「宗派ではないですよ、地域性によるものです。どなたかがアンケートもとってくれていたのですが、前に出て行うのが一番多くて、回し焼香(座礼も含む)が全国のごく一部のようです。中には東京でも行ったという答えもあったので、高齢化や時代背景とともに変わってきていて、全国的に行われているけど知名度が低いんでしょうね」

とのこと。

今から20年以上前、筒井さんが小学生だったころはキャスター付きではなく焼香箱を回すことが多かったが、10年ほど前に僧侶になったときには、すでにイスになっていたという。また北海道には独自の冠婚葬祭の文化があることも「地域性」が関係していると考える要因の一つのようだ。

現在、筒井さんのお寺ではキャスター付きの回し焼香が基本で、

「うちのお寺でも、椅子を使い始めたのがきっかけです。高齢化社会に突入する頃に、足腰の弱い方向けに自然と切り替わっていったようです。高齢化社会の時代の変化と、各地方のローカル文化が合わさって出来ていったのでしょうねえ」

としている。

PAGETOP