品薄で消毒用アルコールが入手できない! そんなピンチを解決する「代用品」とは
「無水エタノール」を水で薄めて
あきらめの悪いJタウンネット記者は、「消毒用アルコール」のトップメーカーとされている健栄製薬(本社:大阪市中央区)に電話で聞いてみた。
ドラッグストアでは、「消毒用アルコール」が品薄で、入荷の予定も分からないと聞いたのだが、商品の供給の見込みはどうなっているのか、聞いてみた。
「製造現場はいま一生懸命やっているのですが、具体的なことをお答えするのは難しい状況です」と答えてくれたのは、健栄製薬学術情報部の担当者だった。
それでは、どうすればいい? ただひたすら待つしかないのだろうか?
「あまり積極的にはおすすめできないのですが、『無水エタノール』という商品があります。水分をほぼ含まない純度の高いエタノール(エチルアルコール)のことです。水1に対して、無水エタノール4の割合で、水で薄めると、消毒用として使えると思います」
新型コロナウイルスの予防に役立つかもしれない、消毒用エタノール「代用品」としての無水エタノールについて、教えてくれたのだ。 やった! Jタウンネット記者にも希望が見えてきた。
それでは、無水エタノールと消毒用エタノールはどう違うのか? 健栄製薬ホームページには詳しく記載されているが、要約すると次の通りだ。
無水エタノールは純度100%に近いエチルアルコ―ルで、洗浄力が高く、あっという間に蒸発する性質を持っている。電気製品などの掃除に使われている。
一方、消毒用エタノールは、無水エタノールよりはアルコール濃度は低く、80%前後だ。その場に留まってアルコールの効果を発揮するため、その名の通り「消毒」に向いている。
無水エタノールを精製水で薄めれば、消毒用エタノールも作れるという。ただし、気を付けなければならないこともある。まず......、
「火気厳禁」
無水エタノールは蒸発しやすいアルコールなので、すぐに引火する。タバコの火、ライターなど、火気のそばで使ったり、火の気の近くで保管したりするのは、極めて危険だ。くれぐれも注意した方がいい。
次に、気を付けたいのは、薄める水は、精製水であること。精製水とは、塩素やミネラルを取り除いた水のことだ。コンタクトレンズを使用している人には、おなじみかもしれない。コンタクトの手入れや化粧水づくりなどに利用されているという。
「消毒用アルコール」のトップメーカー・健栄製薬のおかげで、予備知識を仕入れたJタウンネット記者は、再度、ドラッグストアに向かった。