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ついに日本から消える「喫煙車両」 逆になぜ今まで存続できた?近鉄に事情を聞いた

井上 祐亮

井上 祐亮

2020.02.07 17:00
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なぜ喫煙車両を残してきたのか

ところで、なぜ近鉄は令和の時代になっても喫煙車両を存続させてきたのだろうか。

Jタウンネットが1月31日、広報担当者へメールで取材をすると、2月4日に回答があった。

「当社は従来から喫煙される・されない方双方に配慮して、『分煙』を基本とした受動喫煙防止対策を取っており、特急列車には喫煙車両を設けてきました。

しかし年々受動喫煙防止強化を求める声が増加していることを受けて、特急列車については2009年より順次新造・リニューアルした特急車両に喫煙室を設置して、2016年には大阪阿部野橋―吉野間の特急列車を全席禁煙(喫煙は喫煙室のみ)としました。

今般その他の区間を運行する特急列車のうち大半の列車において工事が完了することから、全社的に『座席はすべて禁煙』『喫煙は喫煙室のみ』とすることとしました」

喫煙車両は1983年3月からあるという。喫煙者と非喫煙者の双方に配慮して喫煙車両を設けてきた近鉄。この度の改正健康増進法の施行に対する受け止めについて、

「全特急座席禁煙化は2020年4月全面施行の改正健康増進法において、鉄道車両内は、喫煙室以外は禁煙とする必要があり、法施行に先立ち2月1日より特急列車座席禁煙化を実施するもので、やむを得ないものと考えています」(広報担当者)

と回答した。世の中の流れや法施行とともに「喫煙室」へ移り変わった特急列車。

確かに、筆者が伊勢・中川で、別の近鉄特急列車「ビスタカー」へ乗り換えると、車両間に用意されていたのは喫煙室だった。

ひじ掛けに灰皿はなかった。代わりにガラス張りの喫煙室が
ひじ掛けに灰皿はなかった。代わりにガラス張りの喫煙室が

近鉄は3月14日、新型特急列車「ひのとり」をデビューさせる。車両には「喫煙室」が設けられる予定だ。広報担当者によると、基本的な構造は既存の特急車両と同様とのこと。

禁煙が進む世の中の流れとは少し逆行するイメージではあるが、それでも導入する理由は

「当社では、タバコを吸う・吸わないそれぞれのお客様に配慮した『分煙』を基本とした受動喫煙防止に取り組んでまいりました。このため特急車内についても、一部を除き基本的に各列車に喫煙できる箇所を設けております」(広報担当者)

という。

今後、喫煙車両は姿を消す。しかし喫煙室も悪くないというのが筆者の感想だ。より一層、タバコを吸わない人への配慮ができるからだ。

それに冷静になって考えてみれば、このご時世、車内でタバコを吸うことが出来るだけでもありがたいわけだ。

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